研究課題/領域番号 |
17300169
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
寺川 貴樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10250854)
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研究分担者 |
馬場 護 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 教授 (20005466)
伊藤 正敏 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 教授 (00125501)
岡村 弘之 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (10221144)
伊藤 伸彦 北里大学, 獣医学部, 教授 (00159899)
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キーワード | 陽子線治療 / 拡大ブラッグピーク / 腫瘍血管標的薬剤 / AVE8062 / 線維肉腫 |
研究概要 |
本研究は、陽子線治療と腫瘍血管標的薬剤の相乗効果による低線量・低副作用癌治療法の開発を目的とし、腫瘍細胞を移植したマウスを用いて、陽子線照射と腫瘍血管遮断剤AVE8062を併用し、本治療法の有効性を検証した。 動物実験を以下の条件で実施した。C3H/Heマウスの大腿骨付近に線維肉腫細胞を移植し、直径10mm程度の腫瘍塊が形成されたものを用いる。治療条件は、陽子線照射群(拡大ブラッグピーク、15Gy、または30Gy)、AVE8062処置群(5、または10mg/kg、照射1時間後に腹腔投与)、陽子線照射+AVE8062両処置群のいずれも単回処置とし、無治療の比較対照群とともに、線量、薬剤投与量を指標とした腫瘍体積の経過観察を実施した。 実験の結果、陽子線治療単独条件において、15Gy照射群では照射後4日に腫瘍体積が最少値となった後に増加し、30Gy照射群では4日目以降も腫瘍体積が減少し7日目に最小値をとり、陽子線単回照射による線量に応じた抗腫瘍効果が得られた。AVE8062単独処置群では、期間全体としては比較対照群とほぼ同等の単調な増加傾向となったが、10mg/kg投与群は投与後5日程度まで比較対照群と比べて腫瘍体積の増加が抑制される傾向が見られた。今回の薬剤投与条件は腹腔内投与であり、血中薬剤濃度の上昇がにぶく、腫瘍血管遮断効果が不十分であったと考えられる。 陽子線15GyとAVE8062併用処置群では、陽子線15Gy+AVE8062 10mg/kg併用処置群において、治療後5日目までの腫瘍体積減少が陽子線15Gy単独群よりもやや大きく、両治療の相乗効果を示す傾向が得られた。治療プロトコル最適化により、さらなる抗腫瘍効果が示唆される。
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