研究課題
造影超音波造影剤は微小気泡からなる。Sonazoidは気泡のガスがperfluorobutaneであり、殻(shell)はリン脂質のphosphatigyl serineからなる。この気泡は静脈内投与された場合は血管内皮にあるマクロファージ(肝のKupffer細胞)に貪食される。皮下投与された場合にはリンパ管に入り、所属のリンパ節に溜まる。その際にはリンパ節内のマクロファージに貪食されると考えられる。本研究においては、以下のことを検討した。 1)マクロファージに貪食された気泡を映像化する技術の開発 2)マクロファージに貪食された気泡に超音波が照射された場合の生体作用 3)皮下注射された場合のリンパ節造影の至適投与法と投与量の検討 4)癌のリンパ節転移と炎症によるリンパ節腫大のモデルを作製し、それらの造影所見から両者の鑑別診断ができるかを検討した。以下の結果を得た。 1)マクロファージに貧食された気泡を映像化するには、血中を循環している臓器の造影に比べて、より高い音圧が必要であることが明らかとなった(MI値0.3-4)。また、映像法としては、流血流の気泡映像法として振幅変調法のハーモニック法が適しているのに対して、リンパ節内の気泡映像法として位相変調法のハーモニック法がより感度がよいことが分かった。 2)気泡を貪食したマクロファージに超音波を照射して、共振や気泡崩壊を惹起した場合の生体作用を、heatshock protein(HSP)の発現により評価した。超音波照射の音圧に依存してHSPの発現を認めた。低い音圧からMI値0.6までHSP発現の増加を認め、それ以上ではHSPの発現は低下した。 3)Sonazoid造影剤の希釈により、よりリンパ管への移行は良好となった。10倍希釈のSonazoid溶液を、0.1mLずつ腫瘍の周囲に局所注射するという、至適な投与法を確立した。 4)腫瘍の転移ではリンパ節は球形に腫大し、炎症性の腫脹では楕円体を示した。腫瘍性のリンパ節腫大では、超音波造影像は不均一となり、腫瘍の転移巣は陰影欠損像として描出された。急性期の造影像は均一となり、慢性期では不均一となった。病理所見との対比では、慢性期における不均一性は慢性リンパ節炎に伴う線維化が陰影欠損に一致することが分かった。
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