研究概要 |
運動覚ディスプレイ(指先誘導マニピュレータ)による牽引機能 先に2自由度(2DOF)パラレルリンクマニピュレータと1DOF回転型アクチュエータを装備した,3DOF指先誘導マニピュレータを報告したが,これは平面的な一筆書き図形の呈示に限られていた.今回は,新たに上・下運動と音声誘導の機能を付加し,拡張型指先誘導マニピュレータを開発した.拡張型は凹凸線図形を提示でき,これにより一筆書きのみならず多筆図形も呈示できる.さらには,音声呈示も併用することにより,図形の筆順や交わりなどの属性情報も呈示できるようになった, 指先誘導マニピュレータを用いたなぞる感覚の提示 従来は,平面的な図形の提示において,被験者はただ誘導されるだけの受動型指先誘導マニピュレータであったのに対して,能動型は自分の意志で図形を探索することができる能動型指先誘導マニピュレータの研究を行った. これにより,提示するために要する時間の短縮も期待できる.能動型指先誘導マニピュレータは, ・溝に沿う方向では,関節等の摩擦抵抗のみでほぼ無抵抗で自由に移動させることができる, ・溝に垂直な方向には仮想的な側壁が設定されており,この側壁を越えるときに一定値以上の力を要する, ように,コンプライアンス(ばね剛性,compliance)を巧みに制御することにより,指先が物体の角を"なぞる"感覚を提示できる". 荷重位置計測システム 手の平大の平面に作用する荷重の位置を計測するシステムの開発に着手した.本研究では,人と機械が,互いに力の作用を及ぼす.その際,人が機械に及ぼす力を機械が計測できなければならない.その一方で,機械が人に力を作用させたとき,人はその力を認知できなければならない,本研究は,このような相互作用に関わる基礎研究である.具体的には,4個の感圧センサを足裏部に設置させ,感圧値をマイコンにより圧力分布に計算させパソコン画面上に体重心の移動をマーカー移動により呈示する小型で簡易な方法を提案した.この方法は人間の視覚によりバランスを把握するうえで有効性があることが実験により明らかにできた.また,9個のマーカ移動による呈示方法でも感覚的には十分に移動方向や移動速度を把握できることがわかった.
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