研究概要 |
指先誘導マニピュレータを用いたなぞる感覚の提示 まず,点字を読むように平面を滑る動作で,提示したものを読み取ることのできる補助具として指先スライドガイドを作成した.これは,直径60mm,厚さ0.5mmのアクリル製円板の中心から20mmの円周上に周期的に穴をあけたものである.そして,マニピュレータの先端部で,円版の中心に立てた直径6.0mmのアクリル円柱をステップモータと連結させてある.使用者は,円柱を挟むようにして穴に指を置いて使用するので,手全体を提示画面に適度に付けつつ,マニピュレータによって示された軌跡を読み取ることができる.この装置を用いた実験の結果,認識率や探索時間については従来の親指と人差し指でノブをつまむ形式のものとは有意差はなかったが,指を平面に置くことで,腕を持ち上げる負担が軽減され,使用感が大幅に改善された. さらに,受動型(Passive)と能動型(Active),両者の利点を併せ持たせるべく,三次元力覚入出力デバイス,PHANTOM Omni (SensAble Technologies社)を用いて,次の受動・能動動作切り替え機能を有するシステムを構築した. (1)「能動機能:ある平面の上に仮想的なビルや家を、四角柱などで表現したような空間を用いることで、部屋のレイアウトを呈示する.利用者の意思で自由に操作できる。 (2)「受動機能:予め設定した時間だけ停留すると、次の地点に向けて力覚を発生させることを連続して行うことで、誘導ルートに沿って機械により受動的に道程を呈示する 実験の結果,(1)受動動作は,道順などの提示に適するが,部屋の全体図や複雑な図形の提示に向かない,一方,(2)能動動作は,自由に動けるため複雑な図形提示に適するが,道順などの提示には不向きであることがわかった.
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