研究概要 |
平成19年度は以下の3項目を実施した. (1)音声・サイン音聴取実験: 音声・サイン音を聴取する際の音の大きさについて,聴き取りにくさや単語の正聴率に及ぼす影響を定量的に測定し,聴覚信号呈示時音量について、最小の提示音量、最適な提示音量,提示音量の上限値を得た.その際に聴力健常な若齢者,高齢者を被験者として用い、それぞれの聞き手に対してのデータを得た. (2)空間の騒音と反射音の測定・解析: 騒音の測定に関しては,聴覚情報が提示されているときの聴覚情報と騒音のレベルの双方が必要であるため,公共空間として駅舎や会議室,住宅内等において測定を行った.反射音の測定に関しては空間情報を得るためにマルチマイクロホン収録も従来のモノーラルおよびバイノーラル測定と同様に試みた.19年度末に所内予算で所内に設置したマルチチャンネル音場再生システムによってさらに実験を継続し,様々な音環境の中での聴覚情報のデザイン手法について、これまで得た知見を元に検証を今後行う. (3)視覚障害者向け聴覚情報の現状調査: 白色雑音と誘導鈴の方面知覚に関して健常者と視覚障害者の差が見られなかったこたから主に健常者を用いで,残響音が方向定位に及ぼす影響を評価した.また,視覚障害者を被験者として用いて,騒音下において誘導鈴の方向同定までの所要時間を計測し,判断の正確さと判断速度を両立する信号を確認した.また,聴覚情報の配置時には教育や周知等の広報活動が重要であることが明らかとなった.
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