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2006 年度 実績報告書

運動習慣が成長期および中高年期の脳形態におよぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 17300199
研究機関東北大学

研究代表者

藤本 敏彦  東北大学, 高等教育開発推進センター, 講師 (00229048)

研究分担者 伊藤 正敏  東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00125501)
キーワード運動 / 脳 / MRI / 有酸素運動 / 精神的健康度
研究概要

本研究では、有酸素トレーニングが、ヒトの脳構造および精神的健康度に及ぼす影響を調べることを目的とした。
運動習慣のない大学生30名を、トレーニング群15名(男性10名、女性5名)、コントロール群15名(男性9名、女性6名)に分けた。トレーニング群は有酸素トレーニング(1週間につき2〜3回、1回にっき60分)を行なった。コントロール群は、トレーニングと同じ期間、通常通りの生活を行なった。トレーニングの前後で脳のMR画像を撮影し、optimized voxel-based morphometry法によりトレーニング前後での脳構造を比較した。また、質問紙による精神的健康度の測定(CES-D scale、K6K10 うつ尺度、特性的自己効力感測定尺度、自己受容測定尺度、動機付け尺度、主観的幸福感尺度、アイデンティティー尺度)を行った。
分散分析の結果、右中側頭回、左島、右眼窩回において、有意な交互作用(p<0.05,FDR)がみられた。トレーニング前後の比較において、上述の部位の灰白質量はコントロール群で有意な減少(P<0.05,FDR)がみられ、トレーニング群では有意な変化がみられなかった。アイデンティティー尺度とCES-D scaleにおいて有意な交互作用がみられ、トレーニング群の精神的健康度はコントロール群と比較して向上した。自己受容測定尺度の下位尺度である精神的自己の受容度にも同様の傾向がみられた。
コントロール群における灰白質量の減少率と心理尺度の関係を調べたところ、左の島において精神的自己の受容度と有意な負の相関関係がみられ、アイデンティティー尺度において同様の傾向がみられた。
有酸素トレーニングは、灰白質量の減少を抑制する可能性が示された。また、有酸素トレーニングはいくつかの精神的健康度に影響を及ぼし、島の灰白質量の変化は精神的健康度に関係する可能性が示唆された。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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