研究分担者 |
瀬尾 和哉 山形大学, 地域教育文化学部, 助教授 (60292405)
酒井 淳 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (10015828)
笹瀬 雅史 山形大学, 地域教育文化学部, 助教授 (50250907)
河野 銀子 山形大学, 地域教育文化学部, 助教授 (10282196)
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研究概要 |
本研究では,Large Eddy Shnulation(LES)乱流モデルを用いた数値流体解析(CFD)を行い,サッカーボールの基礎的空力特性を検討すると共に,ボール周り流体の可視化を試みた.解析モデルは,CG用サッカーボールモデル形状で作成し,そのメッシュから解析空間を開発した.解析メッシュは三角形四面体要素を用いた非構造メッシュとし、約200万メッシュで構成された.ボールモデルの直径は0.22mであり,境界領域には,三角柱メッシュを定義した.初期流速は15,20,25,30m/sの4ケースとし,非圧縮性粘性流体のNavier-Stokes方程式を有限体積法により離散化して非定常解析計算を行った.乱流モデルはLESモデルとし,ソルバーはFluent 6.2(Fluent Inc.)を用いた.その結果,本研究のCFDにおける抗力係数は約0.19であるのに対して,風洞実験の抗力係数は約0.15であり,CFDは風洞実験値より,やや大きな値を示す傾向がみられた.レイノルズ数の変化に対するCFDの抗力係数の変動は小さく,風洞実験と同様の変動傾向を示した.CFDにおける超臨界領域のボール周りの流速分布をみると,境界層の剥離点が前方岐点より約120deg.程度となっており,可視化実験映像と同様の傾向を示した.CFDにおける揚力係数をみると,抗力係数の値が安定し始める0.1sあたりから,最大0.1程度の不規則な変動がみられた.この傾向は全てのケースで見られ,後流の渦構造と関係があるのではないかと考えられた.ボールからやや離れた地点までの流れの傾向をパスライン表示でみると,ボール直後の渦は観察されるが,やや離れた後方の流れの乱れは少なくなっていた.実際の可視化実験映像では,非対称な渦構造を示す場合が多く,本研究のCFDは早期に渦が散逸しているように思われた.
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