研究課題/領域番号 |
17300202
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高松 薫 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90015727)
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研究分担者 |
石井 直方 東京大学, 大学総合文化研究科, 教授 (20151326)
木塚 朝博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (30323281)
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キーワード | レジスタンス運動 / 成長ホルモン / テストステロン / 最大筋力 / 筋損傷 |
研究概要 |
平成17年度は、スローリフト型レジスタンストレーニングに対する生理的応答を、運動時の血圧および運動後の血中ホルモン濃度の変化、筋機能の回復過程および筋損傷の程度などの観点から検討した. 成人男性6名を対象に、(1)低強度(最大挙上重量(1RM)の約40%)の負荷で動作を低速(3秒で挙上、3秒で下降)で行う試技(スロー)、(2)高強度(1RMの約80%)の負荷で動作を通常速(1秒で挙上、1秒で下降)で行う試技(ノーマル)、(3)低強度(1RMの約40%)の負荷で動作を通常速(1秒で挙上、1秒で下降)で行う試技(コントロール)、からなる3種のレジスタンス運動(いずれも5セット実施)を、それぞれ異なる日に実施した. その結果、スローおよびノーマルにおいては各セットの運動により最大血圧は上昇したが、5セット目運動終了直後においてはノーマルがスローに比較して有意に高値を示した(P<0.05).また、運動後における血清成長ホルモンおよびフリーテストステロン濃度は、スローがノーマルに比較していずれも高値を示した.一方、アドレナリン、ノルアドレナリンおよびコルチゾール濃度の変化には、スローとノーマルの間に差は認められなかった.運動後において、最大筋力および筋パワーはいずれもスローがノーマルに比較して速やかに回復した(P<0.05).運動24および48時間後における血清クレアキンキナーゼ濃度の変化(筋損傷の間接的指標)には、スローとノーマルの間に顕著な差は認められなかった. 上述の結果は、低強度を用いたスローリフトによるレジスタンス運動は、比較的大きなメカニカルストレスを課す従来の負荷方法(ノーマル)とは異なる生理的応答を示すとともに、筋肥大に対する効果を期待できる可能性を示すものである.なお、これらの内容は、日本体育学会第56回大会(つくば、2005)において発表された.
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