研究分担者 |
石田 浩司 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (50193321)
片山 敬章 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 講師 (40343214)
増田 和実 金沢大学, 教育学部, 助教授 (50323283)
宮地 元彦 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 身体活動調査研究室, 室長 (60229870)
佐久間 邦弘 豊橋技術科学大学, 体育保健センター, 助教授 (60291176)
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研究概要 |
本年度の目的は,身体不活動中の運動トレーニングが身体機能に及ぼす影響について検討した.成人男性11名が実験に参加し,片足サスペンジョン中にトレーニングをする群(6名)と片足サスペンジョンのみの群(5名)に分けられた.片脚サスペンジョンは実験脚の体重支持活動と筋活動を限りなく少なくするモデルである.トレーニングは片脚自転車運動で,最高酸素摂取量(VO_2peak)の40%〜80%の運動負荷を計25分間行うものであった.実験脚の随意最大膝伸展筋力においては,コントロール群で有意に低下した(548Nから444N,-18%)がトレーニング群では有意な変化は見られなかった(535Nから460N,-11%).大腿部の筋体積についてはトレーニング群の実験脚では,有意な筋体積の変化は認められなかったが,コントロール群では大腿四頭筋,ハムストリング,内転筋群それぞれにおいて-7%,-2%,-6%の有意な低下(全てP<0.05)が認められた.最大下での動的膝伸展中の骨格筋fMRIについては,トレーニング群では両脚に運動後のシグナル変化に有意な差は認められなからたが,コントロール群の非実験脚では運動後のシグナル変化が実験前のそれと比較して有意に増加した(38.2msecから40.7msec).サスペンジョン前後における実験脚でのVO_2peakは,トレーニング群では変化を示さなかったが(35.1±3.2から37.8±5.2ml/kg/min;+7.9%),コントロール群においては有意に減少した(32.8±4.4から28.5±4.1ml/kg/min;-13%,P<0.05).以上の結果から,本研究で用いたトレーニングは,不活動中の筋機能の一部および呼吸循環系の維持のための運動プログラムとして適していることが示唆された.
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