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2007 年度 実績報告書

筋タンパク質合成機構に対するアミノ酸投与と運動の効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17300208
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

下村 吉治  名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (30162738)

研究分担者 村上 太郎  中京女子大学, 健康科学部, 教授 (10252305)
キーワード分岐鎖アミノ酸 / 分岐鎖α-ケト酸脱水素酵素 / 分岐鎖α-ケト酸脱水素酵素キナーゼ / 2型糖尿病 / OLETFラット / LETOラット / 肝臓 / インスリン
研究概要

分岐鎖α-ケト酸脱水素酵素(BCKDH)は,分岐鎖アミノ酸(BCAA)代謝の律速酵素であり,特異的なキナーゼ(BDK)によるリン酸化で不活性化される。BDKにはBCKDHに結合した結合型と遊離型が存在し,結合型のみが活性を示すことが知られている。これらの酵素活性は食餌や疾病などの影響を受けて変化し,BCAA代謝を調節すると考えられている。一般的に糖尿病ではBCAA代謝が亢進することが報告されている。一方でインスリンがBDKの発現量を高めるという報告がある。これまでの糖尿病ラットの報告ではインスリン欠乏性の1型糖尿病モデル動物を用いており,高インスリン血症である2型糖尿病についての報告はほとんどない。本研究では2型糖尿病モデルラットであるOLETFラットのBCKDH活性の調節について検討し,BCAAの長期摂取がこれらの酵素に与える影響についても検討した。OLETFラットを2型糖尿病モデルラットとし,LETOラットを正常の対照動物として用いた。8週齢時に食餌を標準食又はBCAA(5%)食に分け,[LETO/標準食],[OLETF/標準食],[LETO/BCAA食],[OLETF/BCAA食]の4群に分けた。19週齢時に肝臓及び血液を採取し,BCKDHとBDKの活性及びタンパク質量を測定した。肝BCKDH活性は,LETOラットに比べてOLETFラットで有意に低く,BCKDHの各サブユニットのタンパク質量も有意に減少していた。さらにOLETFラットにおける肝BDKでは,総タンパク質量が有意に減少しているにも関わらず,活性及び結合型のタンパク質量は有意な高値を示した。また,各ラットにBCAA食を摂取させることで肝BCKDH活性が上昇したが,BCKDHサブユニット量は変化しなかった。一方,BDKの総量,結合型量,およびBDK活性が有意に低下した。以上のことから,高インスリン血症であるOLETFラットでは肝臓におけるBCKDH活性の低下は,BCKDHの各サブユニット量の減少及びBDK活性の上昇に起因することが示唆された。また,BCAA食摂取によりOLETFラットのBCKDH活性が上昇したが,これは結合型BDK及びその活性の減少に起因することが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Branched-chain amino acid(BCAA)supplementation attenuates delayed-onsetmuscle soreness induced by squatexercise:pre-exercise vs.post-exercise BCAAmgeshon2007

    • 著者名/発表者名
      Satoko Watanabe, Asami Inaguma, GustavoB ajotto, Juichi Sato, HisamineKobayashi, Kazunori Mawatari, andYoshiharu Shimomura
    • 学会等名
      10th Asian Congress of Nutrition
    • 発表場所
      台北(台湾)
    • 年月日
      2007-09-11
  • [学会発表] 分岐鎖アミノ酸(BCAA)代謝に対する中性脂肪投与の影響2007

    • 著者名/発表者名
      安田 優子、永田 宏樹、GustavoBajotto, 下村 吉治
    • 学会等名
      第61回日本栄養づ食糧学会大会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2007-05-19
  • [学会発表] Effects of endotoxin infusion on plasma amino acid concentrations in rats2007

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Asai, Gustavo Bajotto, HideoYoshizato, Koichiro Hamada, TomokoHiguchi, and Yoshiharu Shimomura
    • 学会等名
      Experimental Biology2007
    • 発表場所
      Washington,DC,USA
    • 年月日
      2007-04-29
  • [学会発表] Effects of branched-chain amino acid(BCAA)supplementation before and afterexercise on delayed-onset muscle soreness(DOMS)and fatigue2007

    • 著者名/発表者名
      Satoko Watanabe, Asami Inaguma, Gustavo Bajotto, Juichi Sato, HisamineKobayashi, Kazunori Mawatari, andYoshiharu Shimomura
    • 学会等名
      Experimental Biology 2007
    • 発表場所
      Washington,DC,USA
    • 年月日
      2007-04-29
  • [図書] アミノ酸の機能特性-ライフサイエンスにおける新しい波-(分担執筆)分担:第1章分岐鎖アミノ酸(BCAA)の代謝調節とサプリメントとしての有用性2007

    • 著者名/発表者名
      下村 吉治
    • 総ページ数
      11-47
    • 出版者
      建帛社

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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