研究分担者 |
本間 俊行 国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 契約研究員 (90392703)
奥脇 透 国立スポーツ科学センター, スポーツ医学研究部, 副主任研究員 (20274871)
俵 紀行 国立スポーツ科学センター, スポーツ医学研究部, 研究員 (30344279)
榎木 泰介 国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 契約研究員 (70392701)
柳澤 修 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助手 (50371159)
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研究概要 |
磁気共鳴映像法(MRI)および磁気共鳴分光法(MRS)による非侵襲的な筋線維組成・生化学的特性評価に関する実験として,ボランティアの外側広筋を対象として,筋生検を用いた生化学的測定と,安静時のMRI・^<31>P MRS測定を実施した。その結果、安静時のクレアチンリン酸(PCr)/アデノシン三リン酸(ATP)比,または,(PCr+無機リン酸(Pi))/ATP比と速筋タイプミオシン重鎖(MHCII)の割合との間に有意(P<0.01)な正の相関関係が認められた。さらに,より実践的な測定として,陸上短距離選手と長距離選手を対象にしてMRI・MRS測定を行ったところ,短距離選手は長距離選手よりも有意(P<0.01)に高いPCr/ATP比,(PCr+Pi)/ATP比,および,筋細胞内pHを示した。一方,横緩和時間(T_2)は短距離選手よりも長距離選手の方が有意(P<0.01)に高値を示した. ^<13>C MRSを用いた筋グリコーゲン含有量評価方法の確立と筋特性評価への応用を行うために,ボランティアの外側広筋を対象として,^<13>C MRSを用いた筋グリコーゲン測定と,筋生検を用いた生化学的測定を実施した。^<13>C MRSではカキ由来のグリコーゲンを用いた基準溶液を用いて定量的測定法を確立した。その結果,両測定法の測定値の間に有意(Pく0.01)な正の相関関係を認めることができた。 以上のことから,MRI,^<31>P MRSおよび13C MRS測定を用いることにより,タレント発掘要因としての筋線維組成,筋エネルギー含有量を非侵襲的に推定することが可能であることが示唆された。さらに,これらの測定は,生まれ持った筋特性の推定だけではなく、非侵襲的な筋コンディション評価にも応用可能であると考えられる。
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