研究課題
1)骨髄細胞の採取、培養、マーキング手技の確立マウス大腿骨より骨髄細胞を採取し、骨髄細胞を10^7個に培養増殖する手技を確立した。また、培養した骨髄を移植する経路として、静脈内投与、定位的な脳内投与および骨髄内に再移植するテクニックも確立した。しかし、培養骨髄細胞にレトロウイルスベクター(pBabe GFP-neo)でGFP遺伝子を導入するも、遺伝子導入培養細胞におけるGFPの発現が弱くレポーター遺伝子として十分機能しづらいことが判明した。2)老化促進マウスのコントロール組織の採取老化促進マウス(SAMP10およびSAMP8)を飼育し、各週齢において屠殺し、全身の組織学的検討を行っている。これをコントロールとすることで骨髄移植後における組織学的な比較検討が可能となる。一方、老化促進マウスの飼育が容易でないことから、現在長期間における飼育条件を策定中である。現在引き続き、記憶機能評価のための環境として受動回避反応および能動的回避反応の基礎的検討中である。3)HGF、VEGF、FGF2遺伝子の骨髄細胞導入と脳虚血モデルによる検証HGF,VEGF,FGF2遺伝子をヘルペスウイルスベクターにより、骨髄細胞に遺伝子導入する手技を確立した。この系を用いて、ラット中大脳動脈虚血モデルにおいて定位的に脳内に骨髄細胞を移植し、虚血後2週間までの神経学的スコアの改善効果を検討した。いずれの遺伝子においても、遺伝子を単独で脳内に導入したもの、および骨髄細胞を単独で脳内に移植したよりも、遺伝子導入した骨髄細胞を脳内に移植したものが最も神経学的なスコアの改善が著しかった。組織学的検討では、梗塞巣の面積の縮小が見られ、神経再生よりもneuroprotectiveな効果がその中心であることが示唆された。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (2件)
J Cereb Blood Flow Metab 26・9
ページ: 1176-1188
Stroke 36・12
ページ: 2725-2730