研究概要 |
1.高圧力下で冷凍したナチュラルチーズの物性と微細構造 【目的】水分含量の多いフレッシュチーズは凍結後の損傷が大きい。3種類の冷凍フレッシュチーズの品質改善に対する圧力移動凍結の効果を調べた。 【方法】11×2×1.3cm角のカッテージチーズ、マスカルポーネチーズ、モッツァレラチーズ3個を真空包装し、食品高圧処理装置を用い、-10℃,100MPa、-15℃,150MPaで60分間圧力移動凍結後、-30℃で凍結保存後解凍したチーズを、大気圧力下の-10℃、-15℃の圧力容器内凍結、および-20℃、-30℃、-80℃のフリーザー凍結したチーズと比較し、ゲルの損傷の程度、解凍後の物性と微細構造の変化について検討した。カッテージチーズとモッツァレラチーズはクリープメータで破断強度解析し、マスカルポーネチーズは動的粘弾性測定装置でチクソトロピー性、動的粘弾性を測定した。また離水率の測定、外観の撮影、氷結晶とゲルの微細構造のクライオ走査型電子顕微鏡で観察し、官能評価も行った。 【結果】圧力移動凍結したチーズの氷結晶は小さく、ゲル全体に均一にできていたため、解凍後のドリップが少なく、良好な外観を示した。破断応力、破断歪率は凍結前未処理のチーズに近い値を示した。一方、大気圧下のフリーザーで凍結すると、凍結温度が高いほど大きな氷結晶が生成し、解凍したときの外観は悪化し、ドリップ量も増加した。また、大気圧下の-20℃圧力容器内で凍結したチーズは、-20℃、-30℃フリーザー凍結より凍結時間が短かったため、明らかに細かい氷結晶が生成し、解凍時の外観、物性、ドリップ率ともに改善されたが、圧力移動凍結した試料には及ばなかった。3種類のチーズの微細構造は大きく異なった。 2.カリンのペクチン質・組織・テクスチャーの測定と高圧ジャムの試作を行った。
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