研究課題/領域番号 |
17300243
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
礒田 正美 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (70212967)
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研究分担者 |
小川 義和 国立科学博物館, 経営計画室, 室長 (60233433)
清水 静海 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (20115661)
宮川 健 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 研究員 (30375456)
田中 二郎 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (20251043)
長崎 栄三 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 総括研究官 (50141982)
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キーワード | 科学博物館 / パンタグラフ / 音階 / 合同変換 / 透視図法 / 数学的活動 / 数学化 / メンター |
研究概要 |
国立科学博物館における数学展示物開発のために以下の展示物を開発した。 モデル展示1:パンタグラフの秘密 小学校・中学校で扱いが混迷している拡大図・縮図に係る考えをきっかけとして、パンタグラフによる実験教材を開発した。そこでは、パンタグラフのサイズに関わりなく、同じ構造のパンタグラフが同じように図形を拡大・縮小することなど、数学的な不変性の体験が、効果的であることがわかった。 モデル展示2:音階の秘密 転調してもメロディーの変わらない平均律に対して、ピタゴラス音律は転調するとメロディーが変わって聞こえる古代の音階である。平均率は2の12乗根倍であり、ピタゴラス音律は2/3倍という子供にもわかる平易さを備えている。この実践ではストロー笛の製作を通して、長さではなく、比が音階をもたらすことを体験し、比の考え、単位の考えの自然界における重要性が確認できることがわかった。 モデル展示3:エッシャーの秘密(併進、回転、鏡映) 移動が中学校では扱わなくなり、変換への系統が寸断された。エッシャーの版画に潜む規則性を構築する法則を探るために、図形の敷き詰めと移動を体験する教具を開発した。この実践により、「まわす・ずらす・裏返す体験」が実現し、「併進・回転・鏡映変換」を体験することができるようになった。移動後の図形は、四角形でもなんでもないが、四角形でもない図形が敷き詰められる秘密が、それら変換にあることが体験できた。 モデル展示4:光と影の秘密 絵や写真が、視線や光線が映し出したものを表したものであるという立場から、ルネッサンス・近代の画家が用いた透視図法作図器を取り上げた。変換により形が変わる場合、変わらない場合、変わる場合の変わり方などを調べる体験を通して、光源、光線、原像、投象の関係を認め、光源が視点であるときに、原像と投象が重なることを体験するとともに、相似の原体験、射影幾何の原体験ができた。さらに視点に応じて表される世界が異なることが確認できた。
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