研究課題/領域番号 |
17300249
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
磯崎 哲夫 広島大学, 大学院教育学研究科, 助教授 (90243534)
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研究分担者 |
中條 和光 広島大学, 大学院教育学研究科, 助教授 (90197632)
丹沢 哲郎 静岡大学, 教育学部, 教授 (60272142)
磯崎 尚子 富山大学, 人間発達科学部, 助教授 (70263655)
山口 武志 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (60239895)
平野 俊英 島根大学, 教育学部, 助教授 (70325033)
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キーワード | 理数系教員養成教育 / 文部科学省中等教員検定試験 / 授業を想定した教材化の知識 / フィンランドの教員養成教育 / 中学校理科教師 / 教師文化 |
研究概要 |
本年度は、研究目的に従い、以下の通り研究を行った。 (1)比較教育学的アプローチに基づく研究 フィンランドのユバスキュラ大学教育学部を訪問し、教員養成教育に関する資料の収集と授業観察、担当教授(本研究の国際共同研究者)へのインタビュー、附属学校における教育実習の観察などを行った。その結果、フィンランドの教員養成教育では、教育学部への入試は「教師の適性があるか」が問われること、教育改革などに即応できるための理論的知識の獲得が重視されていること、教育学部・附属学校・理学部の協同関係が構築されていること、大学の講義では授業を想定した教材化の知識が重視されていること、などが明らかとなった。 (2)歴史的アプローチに基づく研究 戦前において、中等理科教師になるための第3のルートと考えられる文部省中等教員検定試験(文検)を取り上げ分析した。その結果、受験界というひとつの文化が形成されていたこと、理科の試験科目は教授要目や中学校令の改正に準拠していたこと、予備試験と本試験では試験の形態と試験内容が大きく異なっていたこと、などが明らかとなった。 (3)臨床的・実証的アプローチに基づく研究 昨年度と本年度の研究結果をもとに、中学校理科教師を対象として、授業を想定した教材化の知識について実態調査(アンケート調査)を行い分析した。その結果、教材化の知識は、多領域にわたる知識を相互に関連させた複合的な知識形態であること、教材化の知識に内在する様々な知識は、教職経験を重ねるに連れて豊富になること、などが明らかとなった。 なお、実態調査に関しては、調査対象者のプライバシー保護を優先し、個人が特定できないように特段の配慮をした。
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