研究分担者 |
下野 洋 星槎大学, 共生科学部, 教授 (30142631)
吉崎 誠 東邦大学, 理学部・生物学科, 教授 (50057668)
小林 辰至 上越教育大学学校, 教育学部, 教授 (90244186)
鈴木 誠 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (60322856)
田代 直幸 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・研究開発部, 教育課程調査官 (30353387)
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研究概要 |
平成17年度に実施した高等学校生物教育に関する全国調査と平成18年度実施の中学校生物教育に関する全国調査の結果の分析及び生命尊重の指導に関わる学習プログラムの開発と実践研究を行い,生物教育における生命尊重についての指導観と指導法に関して以下の点などを明らかにした。 1,生物教育における生命尊重の指導に関する教材構成は「生物から学ぶ」,「生物について学ぶ」,「生物のために学ぶ」の視点で整理することが必要である。 2,どの生物もうまく生きている,環境に適応した結果素晴らしい能力を持っている,という生物の特徴を科学的に学ばせる必要がある。しかし,国語の教科書や児童書に見られる一方的な動物観の教え込みに対しては生物への誤解を生じないような指導が必要である。 3,動物飼育活動の体験が子どもたちの向社会的行動を向上させる。学校で飼われている動物は適切に飼育し,子どもたちの教育に効果的に活用する必要がある。そのためには学習指導要領に飼育活動の教育的意義を明記することが必要である。 5,解剖実習は,生命の大切さを実感させ,生命尊重の態度を育成するために必要である。小・中・高校及び大学で生物に関わる豊かな体験をした教員ほど観察実験の実施や研修会参加に積極的である。 6,解剖実習を成功に導くには,ドライラボの活用を含む徹底した事前指導ときめ細かな個別指導及び事後指導が大切である。 7,小学校教員免許状は,理科や生活科の観察実験に関する科目を学ばなくても取得できる。小学校教員養成段階で理科の観察実験を必修化させるための法令整備が必要である。
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