研究課題/領域番号 |
17300260
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
鈴木 栄幸 茨城大学, 人文学部, 教授 (20323199)
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研究分担者 |
加藤 浩 メディア教育開発センター, 研究開発部, 教授 (80332146)
久保田 善彦 上越越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (90432103)
稲垣 成哲 神戸大学, 発達科学部, 教授 (70176387)
山下 淳 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 講師 (80345157)
望月 俊男 東京大学, 大学総合教育研究センター, 客員助教授 (50379468)
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キーワード | 納得教育 / 多声性 / 漫画表現 / プレゼンテーション |
研究概要 |
本研究の目的は、「納得すること」を現代社会に生きる人々の必須技術として取り上げ、その過程を明らかにし、「よい納得者になるため」の教育手法と訓練システムを開発することである。本研究では次の3課題に取り組む。(1)相互的・社会的納得観に立った納得教育手法の開発、(2)納得教育のための訓練システムの設計と試作、(3)カリキュラム開発と教育現場での実証と公開 本年度は、次の活動をおこなった。 (1)双方向漫画要約手法の提案:昨年度に効果検証実験をおこなった仮想会議録作成法と代理説得法の欠点を補い、さらに効果が期待できる教育手法として「双方向漫画要約法」を提案した。漫画要約法とは、聴いたプレゼンテーション内容を漫画の形式で表現し、それをもとにプレゼンテーションの内容理解を図る訓練手法である。漫画という表現形態によって、プレゼンテーション内容に誰が関係しているのか考えたり、関係する人々の声を想像したりすることがサポートされ、質の高い納得に至る支援になると考える。 (2)双方向漫画要約の効果実証実験:大学生を被験者とした効果検証実験を3回おこなった。その結果、双方向漫画要約が、人の意見を様々な立場から聞き、質の高い納得を得るための訓練手法としてすぐれていることが明らかになった。 (3)双方向漫画要約手法を支援する教育システムの開発:双方向漫画要約を支援するためのシステムVoicingBoardの仕様を決定し、プロトタイプの開発をおこなった。このシステムは、登場人物とそのセリフを簡単な操作で入力する漫画入力機能と、作成された2つの漫画を比較するための並置機能、他者の書き入れたセリフを一望するセリフデータベース機能からなる。開発言語はFlashであり、多種多様なコンピュータ環境を持つ教育現場において広く利用されると期待される。
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