研究概要 |
コンピュータやインターネットの普及に伴い,多種多様の教育支援システムが数多く開発されている.一般に,これら教育支援システムは,プログラムコードや教育に関する様々な情報(例えば,教材,授業プロセス,学習状況,ポートフォリオなど:以下,教育データ)を共有・再利用することを考慮せずに,各支援目標に最適な設計仕様に基づいて開発されている.教育データは様々な観点から利活用できる反面,システムは予め定められた固有の動作しかできないために,教育データとプログラムコードを共有・再利用できないのが現状である.そのため,有用な教育データが活用されずに破棄され,一方では同じ機能のプログラムコードを個別に開発するといった無駄が生じている.本研究では,この問題解決を図り,教育データおよび教育支援プログラムコードの共有・再利用の促進を目的とした. 目的達成のために,教育データと支援機能の形式的な記述を行い,教育支援システムの作成労力を軽減する基盤システムを検討する.その第一ステップとして,教育データ間関係記述の共通した枠組みを定義するために,具体的な対象について,教育データ間の関係,視覚化の種類,支援項目を抽出し,属性文法での定義を試みた. 視覚化のためには視覚化属性を,支援のためにはコントロール属性をそれぞれ定義する予定である.それぞれの属性にはどんなものがあり,その属性をどのように用いることによって,どんな視覚化が可能か,どんな種類のコントロールや支援が可能かを分析した.分析の対象としてさしあたり,指導計画,授業プロセス,教材,ポートフォリオ・協調学習活動を検討対象として取り上げ,個々に下記のステップを実施した. (1)各種対象別に教育データの関係構造の分析 (2)教育データと視覚化の種類の分析 (3)教育データと支援の種類の分析 (4)上記関係の形式化 (5)上記支援システムのプロトタイプの設計
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