研究概要 |
萌芽研究「英語リズムパターン学習過程における脳波変化」(平成15年;課題番号:15650181)から、英語リズム学習時に脳波が変化しているのではないか、という仮説を証明する研究に着手した。実際にはGrahamにより開発され、共同研究者の中野によって修飾されたリズム学習教材である、ジャズチャンツ教材を学習者に学習させ、その脳波変化を調べた。その結果、前頭部(F3,F4,Fz領域)でのθ波(Fmθ)のパワー値が学習時に経時的に増加した。その増加は有意であった。その後、学習者のリズム学習は維持されたが、Fmθのパワーは減少した。この事実から、Fmθ波が英語リズム学習時の脳内変化を検出出来る脳波であると示唆された。萌芽研究期間では、示唆的な結果は得られたが、仮説のきちんとした検証は得られなかった。本研究課題に採択された後に、測定を再度行い、ジャズチャンツは、英語リズム学習の6ケ月後の長期記憶にも関わる事を明らかにした。このような結果から、英語リズム学習者の状態を脳波で検出出来るのではないか、と言う考えに至り本課題の研究を開始した。つまり脳波を使い、学習者の状態にあった適切な英語リズム学習教材を提供出来る、そのような英語学習教材提供システムの構築を目指し、そのようなシステムを英語リズム学習ロボットと名付けた。システムは、3つの部分から出来上がっている。学習者の脳波を測定しパソコンに取り込む脳波測定部、パソコンに入力した脳波を解析する脳波解析部、解析された結果から、現在提供されている教材を入れ替える英語リズム教材提供部の3つである。本事業では、FedoraCore6上でシステムを開発し実際に使用できるか確認した。脳波α波が出現すると、インターネットを介して提供される英語教材が変更される事を確認した。
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