研究概要 |
平成15年度基盤研究Cにおける,「センサつきキッチンとレシピ自動作成システムの開発とその教育的利用に関する研究」により,公立はこだて未来大学,玉川大学に設置した実験キッチンシステムにひきつづき,本助成金によりお茶の水女子大学にも実験キッチンシステムを設置した.従来の実装で得た知見に基づき,バックヤード作業エリア,ディスプレイ開口部,フットスイッチ等を改良した設計を行った. 本キッチンを用いて,調理支援システムを実装した.本システムは,動画,テキスト,文字,音声などのマルチメディアコンテンツで構成された調理指導教材を,キッチンに組み込んだ4カ所のディスプレイに,調理の進行に合わせてタイミングよく表示するシステムである.この実装のために,インタラクティブなソフトウェアの開発,フットスイッチの実装などを行った.また,本システムを使用して,教材を見ながらの調理を行い,ユーザビリティ試験を行った. 以上の結果を,日本ソフトウェア科学会インタラクティブシステムとソフトウェア研究会のシンポジウム(査読付き)で発表を行った.また,これまでの成果を論文にまとめて,日本ソフトウェア科学会論文誌へ投稿した(査読審査中). また,インタラクティブな調理教材をキッチンで効率的にコントロール手段を開発するために,キッチンにおける各種入力手法の試作をすすめた.本年度は,RFIDタグを用いた調理者特定システム,調理の味付け情報の遠隔地伝達システム,シンクの振動を利用した入力システムの実現を目指した基礎実験を行い,初期段階の試作を行った. 一方,キッチンにおける学びを支援するために,何を記録し,伝達し,提示すべきかについて,専門家の意見を聞く会合を数回もうけ,研究チームで討論と検討を行った.
|