研究分担者 |
西堀 ゆり 北海道大学, 国際広報メディア研究科, 教授 (70109403)
植野 真臣 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (50262316)
赤倉 貴子 東京理科大学, 工学部, 教授 (80212398)
田中 健二 情報通信研究機構, 総合企画部, 主任研究員 (80280551)
山本 裕一 北海道大学, 情報基盤センター, 助手 (10240128)
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研究概要 |
本研究は3ヶ国間の3大学間同時双方向遠隔授業を実験的に実施し,実用上の技術的条件,運用上の条件,教育・学習過程上の条件を明らかにし,教育効果を実証することに目的を有する.H18年度は前年度の3地点接続実験の実績に基づき,4ヶ国4地点の接続による4大学間同時双方向遠隔授業を試行実施した. 国際間の同時双方向遠隔授業は,異文化コミュニケーション教育において非常に効果的な手段である.2地点すなわち1対1の国際同時双方向遠隔授業は既に多くの事例があり,ほぼ実用の域に達したといえるが,参加機関が3地点以上に増えるとさらに新しい効果が見込まれる.単一の相手とだけでなく,複数の異文化を同時に体験することの重要さは極めてインパクトが大きい.各国の多様な文化を客観的にとらえる態度の育成が見込まれる.異文化コミュニケーション教育の大きな目標の一つは,日本と外国とで彼我の文化が違うという単純な概念形成だけでなく,国際間で複数の異文化が存在することの認識にこそあり,それにより与えうる教育効果は大きいものと期待されるのである. H18年度は、接続地点として北海道大学(日本)、上海交通大学(中国)、梨花女子大学(韓国),タマサート大学(タイ)の4大学を選び,情報通信研究機構の協力のもとJGN2をネットワーク基盤として,異文化コミュニケーションを中心とした外国語学習の実験実施を行った. 技術的には,高忠実度に教室の雰囲気を高品位な画像で伝送する、等身大の通信(life size communication)が双方向でリアルタイム(同期)に行うことが不可欠であること. 教育・学習指導運用上は,2ヶ国間の参加者による交流を,第3,第4の国・地点の参加者が当事者とは異なる立場で客観視することを経験することが国際間の立場を相互理解する上で重要であることなどが見いだされた.
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