研究概要 |
単独場面によるインターネットを用いた情報検索を想定した実験を実施し,データの収集・分析を行った.A)検索のためのキーワードがどのように選定されるのか,B)情報探索者の既有知識とそれまでの検索結果がキーワード選定にどのように関わっているのか,C)キーワードの取捨選択における判断基準として何が用いられているのかを検討するため,検索行動について,1)デジタルビデオカメラによる録画とPCの画面記録による検索状況および検索画面の記録,2)インタビューによる言語プロトコル収集と,3)非接触アイカメラによる視線探索方向の計測を行った.検索課題は,心理学に関連するもの(色の残効現象を体験させ,それを説明する心理学用語を検索させる)を用いた.実験参加者は,神戸学院大学の大学生・大学院生36名であった.課題遂行中の実験参加者には非接触アイカメラを装着させ,検索中の視線探索状況を計測した.また,検索方略の決定やキーワード選定にどのような要因が関わっているのかを明らかにするために,課題遂行中,特にキーワード入力時を中心に実験者がインタビューを行い,言語プロトコルを収集した.ビデオカメラによる録画記録と,PCの画面記録の双方を参照しながら,研究代表者・分担者が共同して,先行研究によって得られた検索行動カテゴリーに基づいた分類・整理を行った.これらのデータを各々,そして相互の関連について,特に検索中のキーワード選定に着目した分析を行うことによって,単独遂行時の探索者の思考プロセスをモデリングすることを試みた.
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