研究課題/領域番号 |
17300288
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
薮内 直樹 (薮内 佐斗司) 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 教授 (10376931)
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研究分担者 |
稲葉 政満 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 教授 (50135183)
矢野 健一郎 東京芸術大学, 附属古美術研究施設, 非常勤講師 (60401486)
武笠 朗 実践女子大学, 文学部, 教授 (30219844)
高宮 洋子 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 非常勤講師 (10334492)
柿田 喜則 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 助手
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キーワード | 美学 / 文化財 / 彫刻 / 保存 / 3D / 仏像 |
研究概要 |
3年計画にあたる初年度は、藤原期を代表する平等院鳳凰堂阿弥陀如来坐像(国宝)・安楽寿院阿弥陀如来坐像(重文)等の制作年代が判明し、且つ作者の同定もされている基準作例を調査し、3Dデータの集積を行った。現在までに浄瑠璃寺九体阿弥陀像(国宝)をはじめとする定朝様式の仏像を20体以上、東京藝術大学所蔵快慶作大日如来坐像をはじめとする鎌倉期の仏像を10体以上の3Dデータの調査を終えている。来年度以降も継続的に計測を進め、集積した3Dデータを基に、正中断面や輪切り画像を比較し、形状の変遷を明らかにすることで、制作年代及び作者不明の像に関して、像造年代や作者の位置付けを考えている。また3Dデータから投影図が出力できることから定朝様式や慶派の木割り法など正確な数値からの検証を試みたいと考えている。 次年度、円成寺大日如来坐像(国宝)・横蔵寺大日如来坐像(重文)・法界寺阿弥陀像(国宝)・長岳寺阿弥陀像(重文)等の調査も計画しており、定朝様式から、鎌倉時代へ移行する、「藤末鎌初」における定朝様式展開の研究を行う。また中央からはなれ関東近辺の定朝様とされる仏像調査を十数体おこなっており、基準作例との比較検討によって、関東地方への定朝様式の伝播過程や京都仏師との関連性、鎌倉様式の受容状況などを検証し、「定朝様式」とされる仏像群の詳細な解析を試みたいと考える。 現在、東京芸術大学文化財保存学保存修復彫刻研究室においては、修士課程・博士課程の課題研究として集積した3Dデータから模刻制作研究を実践し、彫刻文化財研究への応用と、保存修復技能者育成を目的とした教育的応用の一端としている。
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