研究課題/領域番号 |
17300292
|
研究機関 | 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所 |
研究代表者 |
岡田 健 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター・保存計画研究室, 室長 (40194352)
|
研究分担者 |
山内 和也 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター・地球環境研究室, 室長 (70370997)
|
キーワード | 太行山脈 / 石窟寺院 / 文化ゾーン / 保存計画 / 地域環境 / 地図情報 / 仏教信仰 / 日中共同 |
研究概要 |
中国において、外国人研究者が考古学的調査を実施する場合には、「中華人民共和国文物保護法」以下の関係法規に従って許可申請を行う必要がある。本年度は、本調査に向けての合意文書作成と申請手続きを進めつつ、現地視察、調査成果の管理と分析のための地図情報システム(GIS)に関する研究を行った。 1、現地視察 8月21日から28日の日程で山西省に赴き、太原市晋祠を中心に点在するに所在する天龍山石窟、童子寺石窟を視察したほか、太原市では最近発見された徐顕秀壁画墓(北斉時代)を視察した。さらに関連地域として応県木塔、大同市雲岡石窟を視察した。 2、地図情報システム(GIS)に関する研究 小石窟寺院は、いずれも山地に所在しており、その位置に関しては単なる緯度経度情報のみならず、地勢、地質、水分布、植生、付近の村落等との関係、石窟間の距離や経路など、各種の情報を収集し、それらを総合的に分析する必要がある。この研究にはGISを活用することが有効であり、そのための準備作業と研究を行った。 3、合意文書作成作業 18月の太原視察時に、合意書の基本内容を検討後、10月に再度太原市へ赴き文案の作成作業を行った。さらに1月には北京の国家文物局文物保護司を訪ね、計画案の概要を示し、許可についての要請を行った。現在は、中国側両機関、東京文化財研究所の双方から国家文物局へ申請書類を提出し、その批准を待っている段階である。 4、中国側研究者招聘 3月5日から12日の日程で、中国側参加メンバー4名を日本へ招聘し、来年度から開始する本調査についての打ち合わせを行うとともに、文化遺産国際協力センター客員研究員津村宏臣氏(同志社大学)によるGISに関する指導を受けた。このほか京都大学総合博物館、京都・平等院、同・二条城、奈良・東大寺、同・平城京遺跡、奈良国立博物館等を視察し、日本における文化遺産保護について相互理解をはかった。
|