研究概要 |
研究実施に必要な以下のデータの収集,精度の評価およびフォーマット変換を進めた.さらにモデルの改良を進めつつ,アジアモンスーン域の蒸発量マップを日単位で10年分求めた.これを月単位,年単位にまとめ,年平均値の分布状況,10年間の蒸発量変化のトレンドを予備的に調査した.これから,得られた蒸発量マップがおそらく実際の分布を反映しているだろう事,しかし所々に事実とは思えない値が存在することなどが分かった.今後これらの特異点について検討を行い,データの問題なのか,モデルに更なる改良が必要なのか検討する予定である.一方,モンゴルでの実測データを用いたモデルの検証の結果からは,モデルの信頼性が確認された.これまでに行われてきたタイ,中国での検証に加え,モンゴルの乾燥地域でもモデルが正常に動きかつ良い結果を示すことは,一般的にモデルの信頼性が高いことが分かったと言える.さちに広域での評価を行うため,モンゴルヘルレン川流域の水収支解析を過去50年について実施した.水収支解析結果からは,過去50年程度の間に大きなトレンドが見られないことが分かり.今後蒸発量推定モデルの10年間の推定値を比較することで,長期変動についても新たな知見が求められる可能性が出てきた.
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