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2007 年度 実績報告書

自然水域における光化学反応の環境科学的評価

研究課題

研究課題/領域番号 17310010
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

大田 啓一  滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (80022250)

研究分担者 伴 修平  滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50238234)
須戸 幹  滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (50206570)
丸尾 雅啓  滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (80275156)
キーワード光化学 / 水中反応 / 有機物分解 / 腐植物質 / 汚染物質除去 / 金属有機錯体
研究概要

水中に貫入する太陽光による光化学分解は、溶存有機物の除去機構として重要である。しかし、溶存有機物の主成分である腐植物質の光化学分解の特徴や汚染物質との反応には不明な部分が多い。本研究は次の諸点を明らかにすることを目的として、琵琶湖と流入河川を主なフィールドとした観測とシミュレーション実験を実施した。
・琵琶湖における腐植物質の分布に果たす光化学反応の働き・ノニルフェノールの光化学分解性
・農薬の光化学分解性と琵琶湖における分布の特色・下水処理水の有機物の光化学分解
・琵琶湖における鉄の分布におよぼす有機物と光の影響
本研究の結果から次の諸点を明らかにすることができた。
(1)琵琶湖における腐植物質の濃度プロファイルは、表層で低く、水温躍層以深で漸増し、最深部で上昇する。表層の低濃度は腐植物質の光化学分解によってもたらされる。
(2)腐植物質の光化学分解においては、フルオロフォア、クロモファオ、炭素骨格の順に分解が進行する。また反応は一次反応であり、反応速度定数は0.4〜0.01の範囲にある。
(3)ノニルフェノールならびに燐酸エステル系の農薬は光反応によって分解され、天然水中に存在する腐植物質は反応速度を左右する。
(4)光化学的に分解されにくい農薬は琵琶湖において周年残留する。
(5)下水処理水に含まれる溶存腐植物質は蛍光が強く、光化学的に分解しやすい。水中の光化学反応は超高度下水処理法としての可能性をもっている。
(6)鉄を初めとする重金属イオンは腐植などの有機物と錯体を形成し、これは光化学反応を受ける。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2006

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Humic substances discharged from sewage treatment plants.2008

    • 著者名/発表者名
      Ohta, K
    • 雑誌名

      Verh. Internat. Verein. Limnol. 30(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Vertical distribution of iron(II)and its relation to organic substances in Lake Biwa, Japan.2008

    • 著者名/発表者名
      Maruo, M
    • 雑誌名

      Verh. Internat. Verein. Limnol. 30(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] In situ generation of refractory organic compounds in Lake Biwa, Japan.2006

    • 著者名/発表者名
      Nohda
    • 雑誌名

      Proc. 2nd Japan-Korea Joint Symp. on Limnol.

      ページ: 18-23

    • 査読あり
  • [学会発表] 溶存腐植物質のキャラクタリゼーション2008

    • 著者名/発表者名
      大田 啓一
    • 学会等名
      陸水学会近畿支部第18回研究会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-03-01
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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