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2006 年度 実績報告書

物質循環における水の乾燥による影響の解明-液滴のサイズによる反応経路の変化-

研究課題

研究課題/領域番号 17310011
研究機関大阪府立大学

研究代表者

竹中 規訓  大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (70236488)

研究分担者 板東 博  大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (80124353)
定永 靖宗  大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (70391109)
キーワード露 / 乾燥 / 亜硝酸 / アンモニア / 光化学反応 / オゾン / ヒドロキシラジカル / 脱窒反応
研究概要

露には亜硝酸イオンやアンモニウムイオンが多く含まれている。露が生成すると,大気中にある亜硝酸ガスやアンモニアガスが露に取り込まれ,これらの気体の大気中の濃度が下がる。亜硝酸は早朝のOHラジカルの主発生源として知られており,したっがて,亜硝酸濃度が下がることは大気光化学活性が落ちること,つまりオゾン濃度が下がることになる。我々は,本研究により大気中の亜硝酸ガスが露の生成により下がること,露中に高濃度で存在すること,乾燥により,その多くがアンモニアと反応して窒素になることを見出した。また,早朝の亜硝酸濃度の減少が,オゾン濃度の減少に関与することを,実際の測定データより示し,また,計算機シミュレーションによってもその減少が起こることを確認した。
亜硝酸アンモニムは,迅速に乾燥させ高濃度にすると窒素になる反応が支配的になり,ほとんどの亜亜硝酸が窒素となることがわかった。一方,低濃度の試料をゆっくり乾燥させると,亜硝酸ガスとして気体となることがわかった。実際の露は小さいため,日出後迅速に乾燥するため,その多くが窒素となる。その結果,露が生成・消滅すると,大気中の亜硝酸が吸収・分解されることになり,早朝のOHラジカル源である亜硝酸が減少する。その結果,午前中のオゾン濃度が低くなると予想される。
実際,過去に露が出た時のオゾン濃度を調べたところ,露が出ていない日よりもオゾンの生成が抑えられていることがわかった。露が生成する日は,雲もなく,風も弱いため,オゾン濃度が増加しやすい気象条件であるにもかかわらず,オゾン濃度が抑制されたことは,亜硝酸の減少によるものである可能性が非常に高い。また,亜硝酸野濃度以外の条件を同じにしてシミュレーションを行ったところ,午前中のオゾン濃度が10%程度抑えられる結果となった。本研究により,露の生成がオゾン濃度を抑える働きがある可能性が高いことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Distribution Characteristics of Polcyclic Aromatic Hydrocarbons with Prticle Size in Urban Aerosols at the Roadside in Ho Chi Minh City, Vietnam2007

    • 著者名/発表者名
      To Thi Hien, Le Tu Thanh, Takayuki Kameda, Norimichi Takenaka, Hiroshi Bandow
    • 雑誌名

      Atmos. Environ. 41

      ページ: 1575-1586

  • [雑誌論文] Isomer distribution of nitrotriphenylenes in airborne particles, diesel exhast paritcles, and the products of gas phase radical-initiated nitration of triphenylene2006

    • 著者名/発表者名
      Takayuki kameda, Koji Inazu, Yoshiharu Hisamatsu, Norimichi Takenaka, Hiroshi Bandow
    • 雑誌名

      Atmos. Environ., 40

      ページ: 7742-7751

  • [雑誌論文] 大阪府におけるオゾンと前駆体濃度の平日/週末間の違い -現状とその要因について-2006

    • 著者名/発表者名
      浜名 実, 定永靖宗, 竹中規訓, 坂東博
    • 雑誌名

      大気環境学会誌 41・6

      ページ: 300-308

  • [雑誌論文] Rise in the pH of an Unfrozen Solution in Ice due to the Presence of NaCl and Promotion of Decomposition of Gallic Acids owing to a Change in the pH2006

    • 著者名/発表者名
      Norimichi Takenaka, Masayuki Tanaka, Kenji Okitsu, Hiroshi Bandow
    • 雑誌名

      J. Phy. Chem. A 110

      ページ: 10628-10632

  • [雑誌論文] Acoustic Multibubble Cavitation in Water : A New Aspect of the Effect of a Rare Gas Atmosphere on Bubble Temperature. and its Relevance to Sonochemistry2006

    • 著者名/発表者名
      Kenji Okitsu, Takeru Suzuki, Norimichi Takenaka, Hiroshi Bandow, Rokuro Nishimura, Yasuaki Maeda
    • 雑誌名

      J. Phy. Chem. B 110

      ページ: 20081-20084

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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