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2006 年度 実績報告書

湖沼における溶存鉄の存在形態分析と鉄利用性がアオコ発生に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 17310013
研究機関独立行政法人国立環境研究所

研究代表者

今井 章雄  独立行政法人国立環境研究所, 水土壌圏環境研究領域, 室長 (40203286)

研究分担者 松重 一夫  独立行政法人国立環境研究所, 水土壌圏環境研究領域, 主任研究員 (40229464)
小松 一弘  独立行政法人国立環境研究所, 水土壌圏環境研究領域, 研究員 (20391104)
キーワード鉄 / 湖沼 / 存在形態 / アオコ / 溶存有機物 / 河川 / 藍藻類 / フミン物質
研究概要

霞ヶ浦4地点(湖心を含む)および主要2河川(恋瀬川と桜川)で採水し-30℃で保存していたろ過サンプルを使って,溶存鉄および有機態鉄濃度を測定した。湖水と河川水での溶存鉄の濃度や存在形態の違いを確認し,湖水や河川水における溶存鉄とその存在形態が季節的・場所的にどのように変動するかを評価した。
霞ヶ浦湖水中の溶存鉄は35-254nMの濃度範囲にあり,一方,流入河川水の溶存鉄濃度は47-2910nMの範囲にあった。湖水中の溶存鉄濃度は,明らかに,湖水の流れ方向に減少してゆく傾向を示した。この結果は,河川水が湖水溶存鉄の主要な供給源であることを示唆する。湖への溶存鉄の主要な供給源としては河川の他に底泥が考えられる。しかし,霞ヶ浦の場合,底泥直上水の溶存酸素濃度が4mg/L以下になることはなく,底泥からの溶存鉄の溶出はとても低いと考えられる。溶存鉄の季節的変動としては,1月,4月,7月,10月に採取したサンプルにおいては,比較的に10月に高く,4月に低かった。河川水については特徴的な季節的変動は認められなかった。
霞ヶ浦湖水の鉄錯化容量および条件安定度定数を競合的吸着濃縮ボルタンメトリーによって測定した。錯化容量,すなわち鉄リガンド濃度は溶存鉄濃度と同じような揚所的な変動を示し,鉄と錯化する有機リガンドの主要な供給源は河川であることが示唆された。条件安定度定数:の対数値は25.1-26.2の範囲にあり,特徴的な場所的変動は観察されなかった。化学平衡プログラムによる鉄の存在形態算定から,霞ヶ浦湖水の溶存鉄のほとんどが有機態として存在することがわかった。一方,河川水中では有機態鉄の割合は湖水に比較して低かった。有機態鉄の存在比は,水の流下方向に増大してゆく傾向が認められた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Dissolved iron and its speciation in a shallow eutrophic lake and its inflowing rivers2007

    • 著者名/発表者名
      Nagai, T., et al.
    • 雑誌名

      Water Research 41

      ページ: 775-784

  • [雑誌論文] Effect of dissolved organic matter (DOM) and iron availability on the growth of cyanobacteria in a eutrophic lake2006

    • 著者名/発表者名
      Nagai, T., et al.
    • 雑誌名

      Aquatic Microbial Ecology 44

      ページ: 231-239

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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