研究概要 |
本研究は,全国および地域レベルにおけるステークホルダーの参加による参加型会議の試行を通じて,中長期的な将来に向けた政策シナリオおよび合意形成の道筋を描き出す,革新的政策手法の開発を提案するものである。 平成19年度は,3カ年の最終年度として以下の研究を実施した。1)全国レベルおよび地域レベルの参加型会議で取り上げるテーマに関する政策・研究・事例等の情報整理2)全国レベルの「EST熟慮型ステークホルダー会議」の開催ととりまとめ昨年度実施した全4回のEST熟慮型ステークホルダー会議について,特に,会議設計の主眼であった4つのプロセス,(1)ステークホルダー主導による進行,(2)ディープディスカッションの実践,(3)ステークホルダーによる論点形成,(4)専門家等の固有意見の注入,の考察を行った。その結果をもとに,参加者(ステークホルダー)に対するヒアリングおよび事後アンケートを実施した。さらに,参加者による振り返り会議を開催した。また,ステークホルダー会議に参加した専門家に対するヒアリングも実施した。3)地域(長崎都市圏域)レベルの「長崎ESTステークホルダー試行会議」の開催ととりまとめ昨年度に引き続き,第4回目の長崎ESTステークホルダー試行会議を実施した。第4回会議では,第3回会議の結果を受けて事前調査票を作成・集計し,それをもとに討議を行った。会議後には,会議における主張と個人の価値構造の関係を検証するために,AHPアンケート調査を実施した。また,問題意識や知識,情報に関する非対称性あるいは格差の把握を目的として全4回の会議で実施してきたアンケート調査の結果をまとめ,分析を行った。 以上を経て,3カ年の成果のとりまとめと考察を行い,ステークホルダー会議手法の有用性および課題の検証を行った。
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