研究課題
平成17年度(初年度)は、1)藻場及びサンゴ礁の生態調査、2)陸域における資源賦存現況の社会経済調査、3)土地利用に関わる海域への影響調査、の3つを大きな柱とする調査を、フィリピンで実施した。高知県については、これまでの調査結果の整理と分析に重点を置き、黒潮海流を共有するフィリピンとの共同研究の協定締結及び調査研究体制の整備を中心課題に、チーム編成による3度の現地調査を行った。調査地は、これまでの事前調査を踏まえ、温帯域として足摺岬から大月町柏島をへて宿毛市沖の島に至る高知県西南部の沿岸域、亜熱帯域として琉球列島(特に八重山・石垣島)、熱帯域としてフィリピンのルソン島南部のビコール地方(アルバイ州)と北部ルソンのカガヤン峡谷地方(カガヤン州)に設定した。これらの調査地を対象に、A)生物・生態班、B)社会経済班、C)土地利用班の3班を編制した。A班は、藻場、魚類を中心とした生態と生育現況及び環境の観察を行い、藻類・海草類の標本を作製し、生態系からみた環境変化の比較資料を整えた。B班は、国内では現地の住民やステークホールダーに対する聞き取り調査を実施し、成果を「海のコモンズ」に取りまとめた。またフィリピンでは、期間比較による社会経済構成の20年間に渡る調査農村の変化を調べるため全戸悉皆調査を行い、現在その集計・分析を進めている。さらにC班は、ルソン島を内陸の山岳域から沿岸域に至る土壌浸食の調査を通し、山・里・海を結ぶ流域圏における要因の相互連関を考察した。熱帯では雨期の浸食が激しく、沿岸域の藻場の劣化に大きなインパクトを及ぼしているが、調査と平行して土壌マップ図を再整理し土地利用の観点から軽減方途の検討を加えた。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)
Fisheries Science 72
ページ: 1-12
海洋と生物 160:27-5
ページ: 472-477
海洋と生物 161:27-6
ページ: 579-587
ページ: 437-442
Protoplasma 226
ページ: 199-206
ページ: 443-448