研究課題/領域番号 |
17310029
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
小田 秀典 京都産業大学, 経済学部, 教授 (40224240)
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研究分担者 |
八杉 満利子 京都産業大学, 理学部, 教授 (90022277)
上田 完次 東京大学, 人工物工学研究センター, 教授 (50031133)
北村 隆一 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60252467)
横尾 真 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (20380678)
飯田 善郎 京都産業大学, 経済学部, 助教授 (50273727)
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キーワード | リサイクル / 実験経済学 / 計算機経済学 / 社会工学 / 耐久消費財 |
研究概要 |
初年度は、研究分担者相互の連絡をよくして問題意識と基礎知識の共有化をはかるとともに国際会議の参加や海外の研究室を訪問して新たな知識の導入と意見交換をはかることを主とし、来年度以降の基礎となるモデルの構築、理論的・実際的な分析、被験者実験の設計という点に重点をおいた研究活動を行った。 具体的な研究成果としては、生産者とリサイクル業者がそれぞれの役割を分担させたときの、基本モデルを構築した。つまり、生産者が新品の生産を行い、リサイクル業者が廃棄物を回収し、再びリサイクル製品として生産・販売を行う役割を与えた。生産者一人でリサイクルを行う場合と比べると、役割分担により異なった市場の構造が形成され、資源効率やリサイクル率等の指標の値が改善されることを、計算機実験・経済実験によって示した。 また、消費行動の被験者実験として、生産者の行動を固定した場合の消費者の基本的な三択の購買意思決定を行うモデルを構築し、基礎実験を行い耐久消費財市場の購買意思決定に関する性質を明らかにしている。 これらは、昨年度までの成果である「耐久財の性能の経年劣化があるときのリサイクルの理論模型」の研究を出発点に、耐久財の生産から最終廃棄までの多様な取引形態と各経済主体の経済的行動を、市場構造と耐久財の新しい経済学に基づいて抽象し、耐久財のリサイクリング・システムの模型を作ることを目的とした本年度の研究計画に相当する。この市場構造理論と耐久財の経済学の結合は、いずれにとっても分析の対象と方法を著しく広げ深め、来年度以降の耐久財のリサイクルの研究を総合的に展開するための土台となるものと考える。 これらの結果については、幾つかの国内学会や国際会議で成果を報告している。
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