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2005 年度 実績報告書

プロテオーム解析による細胞内放射線応答基本因子の探策とその機能

研究課題

研究課題/領域番号 17310035
研究機関広島大学

研究代表者

鈴木 文男  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (10019672)

研究分担者 河合 秀彦  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (30379846)
キーワードγ線 / 紫外線 / 細胞周期 / アポトーシス / シグナル伝達因子 / 二次元電気泳動 / 質量分析装置 / プロテオーム解析
研究概要

本研究の目的は、放射線照射された細胞について、細胞周期チェックポイントやアポトーシス誘発を規定する基本因子を同定することである。本年は研究計画の初年度に当たるので、γ線あるいは紫外線をヒトリンパ性白血病由来Jurkat細胞に照射し、照射後の細胞増殖や細胞周期進行及びアポトーシス誘発動態を調べるとともに、既知シグナル因子の変化に加え、新規の放射線応答性タンパク質のスクリーニングを行った。まず、生存率曲線から同程度の致死効果を与える線量を求め、細胞増殖に与える影響を調べた。その結果、γ線と紫外線とでは細胞増殖動態及び細胞周期進行パターンは大きく異なることがわかった。一方、15J/m^2の紫外線照射では照射後6時間で約半数の細胞にアポトーシス特有の核変化が生じるのに対して、10Gyのγ線照射では48時間以上培養しないと同程度のアポトーシス頻度にならなかった。既に、酸化ストレスにc-Ablが関与していることが示唆されているので、照射後の活性化動態について調べたところ、γ線ではc-Ablにより誘導されるシグナル伝達因子を介してアポトーシスが誘導されることが示唆された。さらに両放射線のアポトーシス誘発に関与するシグナル伝達因子をスクリーニングするため、細胞質ゾルタンパク質についてプロテオーム解析を行うことにした。照射後、経時的に細胞をdigitonin処理した後、遠心することにより比較的低分子量の細胞質ゾルタンパク質を分離し、二次元電気泳動にかけた。その結果、未照射細胞と比較して量的に増えたスポットや新たに出現したスポットが数多く検出できた。各スポットをトリプシン処理し、MALDI-TOF/TOF型質量分析装置を用いて分析した結果、放射線に応答するタンパク質としてacidic ribosomal protein P2やCap-G及びstathminなど、計12スポットについてタンパク質を同定することができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Multiple mixed lineage leukemia (MLL) fusion proteins suppress p53-mediated response to DNA damage2005

    • 著者名/発表者名
      Wiederschain Dmitri
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry 286・26

      ページ: 24315-24321

  • [雑誌論文] c-Abl regulates early growth response protein (EGR1) in response to oxidative stress2005

    • 著者名/発表者名
      Stuart Jeremy
    • 雑誌名

      Oncogene 24・55

      ページ: 8085-8092

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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