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これまで水素プラズマ溶解装置等による清浄雰囲気で、超高純度銅等の素材から環境調和型合金(有害なBeを含まないCuNiSi系合金やCu-Ti合金等)を作製してきた。これらの溶製した試料に対して、優れた強度や導電性が得られる組成、加工や時効焼鈍等の条件の最適化を検討してきた。特に、等温時効においては優れた特性が得られる最適な温度や時間を明らかにし、それらの特性に及ぼす加工(冷間圧延)の効果、微量添加元素の効果などを提示してきた。また、二段時効による特性改善の効果等も示し、それらの合金試料における添加元素ごとのクラスタリング挙動の特徴について考察を行った。
さらに、上記合金における成分(NiやSiの添加割合等)の分布状態とプロセッシング条件、強度や導電性の特性との関係を明らかにするために、X線小角散乱測定等により各種の処理を行った合金中の添加元素のクラスターの分散状態についても検討した。これらの評価においては、小角散乱用ステージ等を搭載したX線散乱装置、放射光による小角散乱実験装置等を用い、様々な成分をもつ合金中における添加元素のクラスタリング状態に関する情報を得た。これらの実験結果を基に、合金中における電子密度揺らぎに関する情報(平均的なクラスタリングサイズ等)とともに、異常X線小角散乱法(放射光利用により異なるエネルギーで小角散乱実験による特定元素のクラスタリングの情報等)により、異種元素(特にNi)の選択的なクラスタリングの状況を評価した。これらの結果を基に、導電率や強度の向上の機構に関しても考察を行った。
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