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2006 年度 実績報告書

自然界の微生物共生系を模した"単純な人工の活性汚泥"の構築とその利用

研究課題

研究課題/領域番号 17310042
研究機関筑波大学

研究代表者

田中 秀夫  筑波大学, 名誉教授 (40015657)

研究分担者 青柳 秀紀  筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 助教授 (00251025)
キーワード複合微生物系 / クロレラ / ケミカルコミュニケーション / フィジカルコミュニケーション / レクチン / EOC / 共生 / 混合培養
研究概要

人工の微生物共生系型複合系を構築するためめ模倣対照となる自然界の微生物共生系のモデルとして、これまで長期間純粋分離されずに継代培養されてきてきたChlorella sorohiniana IAM C-212株(IAM(東京大学分子細胞研究所)より分譲:クロレラと3種のバクテリアおよび1種のカビで構成されている)を研究に用いた。クロレラと微生物の相互間で行われているコミュニケーションにはケミカルコミュニケーションとフィジカルコミュニケーションの2種類が存在している。はじめに、ケミカルコミュニケーションの検討として、クロレラから共生微生物に供給されるEOC(Extracellular released organic carbon:菌体外排出有機物質)の成分を詳細に解析した。得られた結果を背景に、EOCの構成成分を模倣した人工EOC培地を開発した。開発した人工EOC培地を用いて自然界から細菌のscreeningを試みたところ、通常の培地ではscreeningすることができなかった新種の細菌(既報の細菌と16SrRNAの相同性が91-95%)を多数獲得することができた(人工EOC培地は新たな微生物の獲得に有用である事が示された)。
フィジカルコミュニケーションの検討として、クロレラと微生物が接着した状態で安定した共生系が保持されている点に注目し、クロレラが光合成により排出するゲル状粘着多糖物質(sheath)に共生微生物が包括されている間接的接着について詳細な解析を行った結果、sheathの構成主成分は、光合成により生合成された糖質と2価の金属である事が明らかとなった。今後、本研究で明らかにした機構を模倣する事で、安定した微生物共生系型複合系(単純な人工の活性汚泥)の構築が期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Construction of artificial symbiotic community using Chlorella-symbiont association as a model2007

    • 著者名/発表者名
      H.Tanaka, H.Aoyagi, et al.
    • 雑誌名

      FEMS Microbiol. Ecol. (submitted)

  • [雑誌論文] Composition of the sheath produced by green alga chlorella sorokiniana2006

    • 著者名/発表者名
      H.Tanaka et al.
    • 雑誌名

      Letters in applied Microbiology 42

      ページ: 538-543

  • [雑誌論文] 細胞表層のレクチンおよび糖鎖に着目した人口の微生物共生系の構築に関する基礎的研究2006

    • 著者名/発表者名
      田中秀夫, 青柳秀紀ら
    • 雑誌名

      平成18年度日本生物工学会大会講演要旨集

      ページ: 219

  • [雑誌論文] 微細藻類と従属栄養微生物との共生現象とその応用2006

    • 著者名/発表者名
      田中秀夫ら
    • 雑誌名

      生物工学会誌 84

      ページ: 448-451

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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