研究課題/領域番号 |
17310045
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
片山 新太 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (60185808)
|
研究分担者 |
三宅 克英 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 助教授 (90252254)
井上 康 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (10293648)
|
キーワード | ミクロ環境 / 物理性 / 化学性 / 微生物バイオマス / 分類学的多様性 / 微生物の機能的多様性 / 微生物制御 / 嫌気性 |
研究概要 |
地下地盤(土壌・地下水)の汚染域が鉛直方向・水平方向に大きく広がる場合や深層に至る場合には、微生物を用いて原位置で地盤を浄化する技術が必要とされる。原位置バイオレメディエーションや汚染拡散を防ぐバイオバリヤー、さらに自然の浄化を促す自然減衰が、その代表的なものである。これらの微生物を用いた原位置浄化技術では、分解微生物の環境中での制御が必要不可欠にもかかわらず、合理的な方法論は確立していない。これは、好気的または嫌気的な地下地盤環境における微生物の動態を制御する因子が不明であったためと考えられる。本研究代表者らは、地下地盤における微生物の中での化学物質を分解する微生物群の動態を調べ、土壌中のミクロ環境が、分解微生物種を大きく変動させる原因であることを明らかにした。この成果に基づき、本研究では、均一なミクロ環境を用いた試験によって、土壌中のミクロ環境と微生物群集の関係を解明するものである。本研究は、3年間の研究期間を予定しており、平成18年では、嫌気性条件下での均一ミクロ環境と微生物群集の関係を明らかにする。 嫌気条件下で、PCB分解微生物群集のガラスビーズ入り培地での培養系を用いて、その群集構造とガラスビーズ直径の関連を調べたところ、培地成分を一定にしていたにもかかわらず、その群集構造が異なることが、明らかとなった。この結果は16S-rRNA造伝子の部分配列によってパターンをみるPCR-DGGE法によって明らかにした。キノンプロファイル法での群集構造解析は、デルタ・イプシロン-プロテオバクテリアであることは明らかにできたが、更に細かい微生物群集構造の違いは検出できなかった。また、固形物を含む嫌気培養条件で、クロロフェノール脱塩素菌群とフェノール分解菌群の2種の微生物群を混ぜたところ、両者とも働くことを見いだした。
|