研究課題
地下地盤(土壌・地下水)の汚染域が鉛直方向・水平方向に大きく広がる場合や深層に至る場合には、微生物を用いて原位置で地盤を浄化する技術が必要とされる。原位置バイオレメディエーションや汚染拡散を防ぐバイオバリヤー、さらに自然の浄化を促す自然減衰が、その代表的なものである。これらの微生物を用いた原位置浄化技術では、分解微生物の環境中での制御が必要不可欠にもかかわらず、合理的な方法論は確立していない。これは、好気的または嫌気的な地下地盤環境における微生物の動態を制御する因子が不明であったためと考えられる。本研究代表者らは、地下地盤における微生物の中での化学物質を分解する微生物群の動態を調べ、土壌中のミクロ環境が、分解微生物種を大きく変動させる原因であることを明らかにした。この成果に基づき、本研究では、均一なミクロ環境を用いた試験によって、土壌中のミクロ環境と微生物群集の関係を解明するものである。本研究は、3年間の研究期間であり、最終年度の平成19年度は、好気性条件下での均一ミクロ環境と微生物群集の関係を明らかにする。ガラスビーズを用いて粒径変化が微生物増殖および微生物群集構造に与える影響を調べたところ、液体培養系に比べてガラスビーズ直径が1mm以上では違いがなかったが、0.01mmになると微生物増殖量および多様性が低下し、メナキノンを呼吸系に有する微生物群が優占した。粒径の影響は、養分濃度や振とう条件の違いよりも大きかった。単離菌でも、粒径の違いによる増殖の程度の違いが見られた。このことから、粒径が微生物群集構造に影響を与えることが明らかとなった。
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Chemosphere 71
ページ: 328-336
Journal of Bioscience and Bioengineering 104
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