研究課題
基盤研究(B)
土壌は、固相、液相、気相を含む不均一な環境であり、そこに導入する有害化学物質を分解浄化する土壌微生物は、自分に適した土の微少部位に生息場を形成して増殖するものと考えられている。これまで、土壌微生物の増殖に、生息場の土壌構造が影響すると考えられてきたが、その影響因子やメカニズムは不明のまま課題として残されてきた。特に、空間的・物理的効果に関しては、ほとんど顧みられていなかった。そこで本研究では、土壌の形成するミクロ環境の中でも特に物理環境の微生物群集に対する影響を調べた。微生物群のバイオマス量および分類学的構造の解析には、呼吸鎖キノン法、直接顕微鏡法および16sRNA遺伝子のPCR-DGGE解析法を用いた。また、活性の測定には、デヒドロゲナーゼ活性、嫌気性菌の場合はPCB脱塩素活性を指標とした。土壌の空間的・物理的因子として、土壌粒子径、土壌水分量、圧密を選び、好気性微生物群の増殖に対する影響を調べたところ、土壌粒子径と水分量が影響するが、圧密の影響は小さいことが明らかとなった。影響の出方は、1ケ月以上で比較的安定した。土壌粒子の模擬粒子としてガラスビーズを用いて、空間を均一な状態として、粒子径の影響を調べた。好気性微生物群の場合、粒子経が0.01mmでは、それ以上の粒径と比べて、増殖する微生物バイオマス量が小さく、またActinobacteriaの比率が高まることが明らかとなった。また、嫌気性菌の場合、活性に対する影響は見られなかったが、微生物群集構造が異なることが明らかとなった。
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