研究課題/領域番号 |
17310051
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中嶋 睦安 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (10059660)
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研究分担者 |
砂入 道夫 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (80196906)
荻原 淳 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (50256830)
安斎 寛 日本大学短期大学部, 農学科, 教授 (70168029)
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キーワード | Rhodococcus / 環境浄化 / 非水系代謝 / 土壌汚染 / 石油分解 / 細胞表面特性 / プロテオーム解析 |
研究概要 |
PR-4が炭化水素粒子に転移する炭化水素としてプリスタン、表層に吸着する炭化水素としてドデカンを選び、昨年度から引き続き細胞の物理化学的特性とプロテオーム解析を試みた。 (1)PR-4株と炭化水素粒子との相互作用の物理化学的解析 微生物と炭化水素との間には、静電相互作用、疎水性相互作用および分子間力が働いており、微生物細胞表面の疎水性や電荷がその相互作用に大きく関与していることから、各種培養条件での細胞表面の電荷、疎水性、細胞表層の原子組成を測定した。まず、細胞の表面電荷を検討したところ、ドデカンの添加によりIEPがアルカリ性側にシフトし、pH7-9の間で電荷が大きくなった。一方でプリスタン添加条件およびコントロールでは、電荷の大きさおよび変化パターンに大きな違いは無かった。続いて、接触角法および動的MATH法により細胞表面の疎水性を検討したところ、アルカンを添加することで細胞表面の疎水性は大幅に上昇し、表面エネルギーが低下した。最後に、 XPS により細胞表層の原子組成を検討したが、優位な差は確認できなかった。以上の結果、現在汎用されている物理化学的解析手法では、両者の違いを明らかにすることは出来なったことから、新たな手法の開発が望まれた。 (2)PR-4株の全タンパク質のプロテオーム解析と分子育種 各種培養条件から全タンパク質を抽出し、SDSPAGEを行った後、その発現パターンの違いなどをLC/MS/MSで解析した。その結果、プリスタン添加条件では、他の条件に比ベストレス応答タンパク質の過剰発現が確認された。そこで、ゲノム配列を素にこれら遺伝子の遺伝子破壊を試みた。現在、破壊株の確認を行っている。
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