研究課題/領域番号 |
17310062
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
西 信之 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 教授 (60013538)
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研究分担者 |
十代 健 分子科学研究所, 電子構造研究系, 助教 (60317302)
西條 純一 分子科学研究所, 電子構造研究系, 助教 (00390641)
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キーワード | ナノ構造化学 / 微粒子 / 酸素センサー / ナノ構造物性 / 電気伝導度 / 酸素吸着 / ショットキーバリアー / ナノ材料創成 |
研究概要 |
昨年度は、銅アセチリドナノワイヤーの大量合成に成功したが、今年は、この炭素被覆ナノワイヤーを薄膜状に電極間に配置した素子を作成したところ、このシステムが酸素吸着に対して、大きな電気伝導度上昇効果を示すことが明らかになった。この伝導度の上昇は、金属-炭素界面(ショットキーバリアー)の電場分極によって物理吸着した酸素が電子を吸い寄せ、ホールを供給するためであることが明らかになった。この酸素吸着は、Langmierの吸着等温式に従い、また、酸素の分圧変化に可逆的な応答を示し、室温あるいは低温領域で酸素センサーとして機能することが明らかになった。このような単純なシステムで低温まで伝導度(抵抗値)測定によって酸素に敏感に動作するシステムはこれまでに報告されていないため、直ちに、特許出願がなされた(特願2007-46461)。 このような、酸素吸着による伝導度の増加の機構を解明するため、現在、電子スピン共鳴とラマン散乱による構造解析を進めている。さらに同様の現象か、銀アセチリドや金アセチリドで観測されないか更なる研究を行っている。 一方、銀や銅イオンにフェニルエチニル基を配意したワイヤー状巨大クラスター分子結晶の創成に成功し、20-40nm,長さ10μmのワイヤーの合成にも成功し、このワイヤー状結晶に光を照射するとπ電子系高分子の中に疑似1次元銀ナノ粒子を容易に配列させた系を得ることができた。このようなシステムにおける、粒子間電子ホッピングの機構を調べている。
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