研究概要 |
テラビット(1 Tbit/inch^2)磁気記録をめざして、反転磁場マッピング法を用いて記録ノイズの要因を明らかにした。また新規パターン媒体ならびにMFM用高保磁力探針の開発に成功した。 [1]超高密度磁気記録媒体に関する基礎研究 (1)超高密度媒体の反転磁場マッピングの作成と活性化体積の評価 200 Gbit/inch^2クラスの媒体を用いて反転磁場マップを作成し、ついで微弱磁場間隔-保磁力マップ法を用いて活性化体積の評価をした。 (1)CoCrPt媒体中の活性化体積は20nm以下であることを明らかにした。 (2)CoCrPt媒体中には、20〜100nmの反転磁場の空間揺らぎが存在することを明らかにした。 (2)ノイズ-保磁力重ねあわせマップ法を用いた媒体ノイズの起源の解明 反転磁場マップと媒体ノイズと記録再生特性の相関解析を行い以下の結論を得た。 (1)ビット内の反転磁区やジグザク遷移は、弱い反転磁場を有する領域によって生じる。 (2)弱い反転磁場を有する領域は一度記録された後、次のビットを記録する際の漏洩逆磁場で磁化反転を起こし、ビット内の反転磁区やジグザグ遷移を発生することを明らかにした。 (2)FePt薄膜に対するイオン打ち込みによるパターン媒体の開発とテラビット媒体の提案 L1_0FePt膜に各種イオン(B, C, Cr, Nb, Zr, Ga)の打ち込みを行い、ソフト-ハード二相パターン媒体の提案を行った。表面平滑度、二相の分離度でGaイオンが最も良好な結果が得た。 [2]ナノ分解能を有する磁気力顕微鏡イメージング装置の開発 Si探針にSiO_2/FePt極薄膜をスパッタした、高保磁力高分解能(10nm)探針の開発に成功した。
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