研究課題/領域番号 |
17310078
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
武田 全康 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (70222099)
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研究分担者 |
朝岡 秀人 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (40370340)
加倉井 和久 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主席 (00204339)
角田 匡清 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80250702)
高梨 弘毅 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00187981)
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キーワード | 単原子制御 / MBE / 結晶成長 / 磁性 / スピントロニクス / 放射線・X線・粒子 / 偏極中性子 / 磁気構造精密解析 |
研究概要 |
本年度は研究初年度であるため、既存のMBE装置を単原子制御人工格子作成用に整備することを最優先課題とした。また、それに平行してすでに存在する試料の偏極・非偏極中性子回折実験を行って精密磁気構造解析手法の確立に取り組んだ。単原子制御磁性人工格子としては、すでに実績のあるCo/Ru人工格子を選んだ。ただし、より完全なエピタキシャル成長を目指し、これまで使われてきたEガンではなくKセルを使うこと、さらに、原子力研究開発機構で開発したSi基板の表面に水素終端を施すとその上に成長させる膜に全くひずみが入らないという技術を適用して、これまでに得られているものよりも良質なエピタキシャル成長膜を得ることを目指した。Ruは必要な飽和蒸気圧を得るのに必要な温度が2,000Cと高く、高温用Kセルでも高温限界付近で使用することになるため、適切なるつぼの選定と精密な温度制御が必要になる。特に温度制御の点に関しては、温度をモニターする熱電対をセルに接触させることができないので、正確な温度を測定するのが容易ではない。実際のセルの温度と熱電対の指示値が300C近く異なるという予想外の事態から、るつぼとMBE成膜チャンバーの汚染事故が発生したため、計画に遅延が生じた。このため、るつぼとチャンバーの修復作業にかかる待機時間を、シャッター制御と膜厚モニターを組み合わせた、単原子制御成膜の自動化を前倒しで行ってほぼ完成した。その一方で、水素終端したSi基板状に成長させたSrOエピタキシャル膜のX線と中性子反射率による構造評価、Cr/Sn人工格子の3次元偏極解析装置(CRYOPAD)を使った磁気構造の精密解析を行った。
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