研究概要 |
本年度の研究実施計画に基づき検討を行った結果を以下にまとめる 1.大細孔径単分散球状メソ多孔体シリカの合成 昨年度までの検討で,球状メソ多孔体シリカを合成後,膨潤剤の存在下で水熱処理することにより,粒子径の単分散性を保持したまま,細孔径が拡大できることを見出している.そこで,種々の膨潤剤を用いて細孔径拡大検討を行い,トリメチルベンゼンが最も有効であることを見出した.細孔径を2.5nmから5.5nmまで拡大することができた. 2.強磁性ナノ粒子の球状メソ多孔体シリカへの導入 細孔径の異なる球状メソ多孔体シリカの細孔内にFePtナノ粒子を導入したコンポジットを作製し,細孔径がコンポジットの磁性に及ぼす影響を調べた.その結果,細孔径が大きい方が,保磁力が高くなることが分かった.ただ,超常磁性成分の影響で,磁化率は細孔径が小さい方が若干高くなった. 3.コロイド結晶の反射波長制御 蛍光色素を細孔内に導入した光学特性を有する球状メソ多孔体シリカから,粒子が最密充填した構造であるコロイド結晶を作製し,色素導入量と反射波長の関係を調べた.その結果,色素導入量の増加に伴い,反射波長が高波長側にシフトすることを見出した.
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