研究課題/領域番号 |
17310086
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
飯田 康夫 独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 研究グループ長 (20356405)
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研究分担者 |
砥綿 篤哉 独立行政法人産業技術総合研究所, 主任研究員 (80357590)
安井 久一 独立行政法人産業技術総合研究所, 主任研究員 (30277842)
小塚 晃透 独立行政法人産業技術総合研究所, 主任研究員 (60357001)
辻内 亨 独立行政法人産業技術総合研究所, 主任研究員 (70357515)
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キーワード | 超音波 / マイクロ空間 / 反応場 / キャビテーション / 気泡 |
研究概要 |
超音波により誘起されるマイクロヘテロ反応場を用いて、アルコール注入法によるリン脂質リボソームの作成を行った。マイクロチャンネルにおいては、流体力学的高効率混合が起こることが知られているが、超音波照射によってリボソーム粒子径はさらに小さなものとなり、従来にない高効率な撹拝効果が得られることを実証した。一方、気泡集団の動きがマイクロ空間に特定され、顕微鏡観察が容易になるというメリットを生かして、気泡の分裂や合体が起こる様子をマイクロ空間において高速度ビデオカメラにより詳細に観察し、界面活性剤添加の効果などを明らかにした。すなわち、界面活性剤の添加により気泡問の合体は大きく阻害され、条件によっては気泡が集団化したクラスターが観測された。また、気泡の分裂は界面活性剤により促進され、合体・分裂どちらの過程においても界面活性剤は気泡径を小さくする方向に有利に作用することを確認した。また、数十ミクロン程度の気泡表面から小さな気泡が連続的に規則正しく発生している様子が観測されるなど、従来、確認の困難であった各種の気泡挙動を明確にとらえることができた。また、超高感度、高選択性のバイオアッセイ素子として注目されている貴金属プラズモン共鳴粒子に関し、マイクロリアクター内での超音波照射によって貴金属ナノ粒子の粒径制御が可能であることを示した。さらに、超音波照射により調製した多糖類マイクロ粒子と貴金属ナノ粒子との複合化を行い、マイクロ粒子表面に貴金属ナノ粒子が析出していることを確認した。本研究のもう一つのテーマである理論解析としては、多数気泡についての解析を開始し、単一気泡からの展開が容易な均一分布を仮定することによって、気泡集団の特性を解析可能であることを示した。また、器壁振動と音場を連成させた有限要素法を用いた解析を行った。
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