研究課題
基盤研究(B)
本研究は、環境志向(ecology-oriented)の下で、電子情報通信技術(electronic ICT)をベースに、製品使用者(end-user)も製品ライフサイクルで重要な役割を担うと認識し、製品使用履歴情報を活用したe^3-プロダクトライフサイクルマネジメント(PLM)システムを考究した。1.PLM情報システムの中核となるe^3-データベースの構造を策定した。当該データベースは、製造業者、製品ユーザ、リサイクル業者がアクセス可能なグローバルデータベースと、各主体のみがアクセス可能なローカルデータベースとから構成され、前者は製品情報、製品取扱情報、製品履歴情報等を記憶させておく構造としている。2.製品ライフサイクル内の重要側面に対し、e^3-データベース内の情報の価値や活用方法を明らかにした。(1)製品マネジメント方策として製品の保守、リニューアル、取替を取り上げ、環境負荷データを活用したマネジメント支援システムの枠組みを明らかにし、製品/交換部品輸送に伴う環境負荷削減の可能性を明らかにした。(2)構成部品の果たす役割を部品表に基づいて記述し、より精確に部品の状態を表現できる情報構造を明らかにし、製品履歴情報を活用した製品リユースマネジメント法を明らかにした。(3)3D-CADモデルに属性(組立て・接続・材料・廃棄情報)を付加し、設計上流段階から製品の分解性や廃棄時環境負荷量を算出する設計支援システムを構築した。(4)製品の製造、修理などで不可欠な加工支援システムを検討し、加工条件等を算出するソフトウェアの連携や加工結果のノウハウとしての蓄積を目指したXMLドキュメント等の情報を運用する仕組みを明らかにした.(5)環境志向のもとで製品履歴情報の経済的価値を評価する枠組みを明らかにした。また、排出権取引市場における期待利得最大化を達成するポートフォリオ選択を示した。
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