研究課題/領域番号 |
17310102
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
榎本 浩之 北見工業大学, 工学部, 教授 (00213562)
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研究分担者 |
高橋 修平 北見工業大学, 工学部, 教授 (50125390)
亀田 貴雄 北見工業大学, 工学部, 助教授 (00233974)
舘山 一孝 北見工業大学, 工学部, 助手 (30374789)
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キーワード | 積雪 / 大雪 / マイクロ波 / 積雪シミュレーション / 雪氷防災 / 流氷災害 / 沿岸結氷 / 北海道東部 |
研究概要 |
大雪災害時における広範囲の安全な積雪調査方法として、可搬型マイクロ波放射計を用いた遠隔および面的な積雪状況の観測手法の開発を開始した。小型軽量化されたマイクロ波放射計の作成により、マイクロ波放射特性に影響する積雪・結氷・融解パラメターを計測し(湖や港湾部の結氷も含む)、精度の高い遠隔・非破壊観測のための基礎データの取得を開始した。 三菱特機システム(株)にて、フィールド観測用小型マイクロ波放射計の作成を行ない、積雪域における検定試験や寒冷環境における野外観測の耐寒性能の確認を行なった。屋外設置用の簡易観測基盤を用いて、積雪観測、海氷観測の現場実施性能を確認し、さらにフィールド観測の機動性を高めるために機器および観測台座の検討を行なっている。 大学敷地内で行なわれている積雪観測のデータによる積雪の変質、融解などの情報とマイクロ波観測結果の対比を行なった。 沿岸結氷の検出・変化の観測をめざして、海上保安庁の砕氷船「そうや」によるオホーツク海の海氷パトロールにて砕氷船上でのマイクロ波放射計の取り付け可能性、データ取得などについて、基礎的な実験を行なった。沿岸や船舶からの観測の際には塩分を含んだ湿雪の着雪の影響を受けないようにすることが必要であるなど、改良に向けての現場情報を収集した。 国内でも最も寒冷域である北海道東部の雪氷特性として、積雪層下部の脆弱な霜ザラメ層の発生検出などは雪崩防災上重要であり、検出のための観測技術を開発をめざし、積雪層の数値シミュレーションと組み合わせる。北見工大で積雪層構造の予測モデルを作成し、改良を進めている。積雪構造の数値モデルの性能として、道内各地の積雪気象データとの比較を行い、道東ではほぼ良好な結果を得たが、根室など沿岸部の強風域では積雪の特性、強風の影響、積雪・降雪観測計への捕捉率の低下などで検討すべき点が見つかった。
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