研究概要 |
枯草菌のMarR、MerRおよびTetRファミリーに属するHTH転写制御蛋白質の支配するレギュロンのうち、本年度に顕著な研究実績をあげられたのは、リンコマイシン耐性とフラボノイド分解に関わるLmrA,/YxaFレギュロン、ノボビオシン等の耐性に関わるmajor facilitator superfamily(MFS)型の多剤耐性オペロン(ycnCB、yusOPとywoHG、およびYkvEとそのターゲット(ykcABC、ydfNOP、yotEDとyvaB)の機能解析である。 LmrA/YxaFレギュロンの構成遺伝子は、3オペロンの5遺伝子(lmrAB、yxaF、yxaGH)であり、お互いにパラログであるLmrAとYxaFにより2重に負に制御される。フラボノール(クレセチン、フィセチン等)やイソフラボン(ゲニステイン、クメステロール等)を添加してゲルシフト解析を行ったところ、そのいくつかによって結合が解除され、2つの制御タンパク質間でフラボノイドに対する感受性が異なっており、また結合領域によっても違いがあることがわかった。また、各種フラボノイドでオペロンの発現が誘導されるかをlacZレポーターを用いたin vivo系で解析した。これらの解析により、誘導物質はリンコマイシン等の薬剤ではなく、フラボノールやイソフラボンである事が判明した。また、yxaGがコードするケルセチン2,3-ジオキシゲナーゼ合成の誘導物質はフラボノールの一部である事がわかった。興味深いことに酵素が構成的に発現するとケルセチンに対して高感受性を示し、著しく生育が阻害された。 LmrA/YxaFレギュロンの構成遺伝子は、3オペロンの5遺伝子(lmrAB、yxaF、yxaGH)であり、お互いにパラログであるLmrAとYxaFにより2重に負に制御される。フラボノール(クレセチン、フィセチン等)やイソフラボン(ゲニステイン、クメステロール等)を添加してゲルシフト解析を行ったところ、そのいくつかによって結合が解除され、2つの制御タンパク質間でフラボノイドに対する感受性が異なっており、また結合領域によっても違いがあることがわかった。また、各種フラボノイドでオペロンの発現が誘導されるかをlacZレポーターを用いたin vivo系で解析した。これらの解析により、誘導物質はリンコマイシン等の薬剤ではなく、フラボノールやイソフラボンである事が判明した。また、yxaGがコードするケルセチン2,3-ジオキシゲナーゼ合成の誘導物質はフラボノールの一部である事がわかった。興味深いことに酵素が構成的に発現するとケルセチンに対して高感受性を示し、著しく生育が阻害された。 また、MFS型の多剤耐性オペロン解析では、YcnCがycnCBオペロンを、YusOがyusOPオペロンを、YwoHがywoHGオペロンを負にオート制御している。YcnCとYusOを用いたin vitro実験で、ノボビオシンがこれらのcis-配列への結合を解除することが明らかになり、これらのオペロンの誘導物質と考えられた。 さらに、YkvEのターゲット(ykcABC、ydfNOP、yotED、yvaB)へのin vitroでの結合実験によりで、これらのターゲットのcis配列を決定した。lacZ合実験により、BHCと呼称されるhexachlorocyclohexaneの代謝産物である、chlorohydroquinoneがこのYkvEレギュロンの誘導物質と推定できた。
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