研究課題
基盤研究(B)
枯草菌のポストゲノム解析として進めた網羅的な転写制御因子の機能解析の一環として、薬剤耐性遺伝子を標的とするものが多いMarR、MerRおよびTetRファミリーに属するHTH転写制御蛋白質の支配するレギュロンの解析を進めた。その中で、本研究で顕著な研究実績をあげられたものを列挙する。まず、脂肪酸のβ-酸化に関わるYsiAレギュロンで、YsiAの標的は、5オペロンの13遺伝子(ysiAB-etfBA、ykuFG、yhfL、yusLKJとywjF-acdA-rpoE)であり、各々の転写開始点近傍にYsiA-boxがあり、YsiAで負に制御される。生体内外系解析で、その誘導物質は炭素数14以上のアシル-CoAである事が判明した。LmrA/YxaFレギュロンは、リンコマイシン耐性とフラボノイド分解に関わる、lmrAB、yxaGHとyxaFとから構成され、LmrAとYxaFにより2重に制御される。リンコマイシン耐性はリンコマイシンによって誘導されるのではなく、リンコマイシンの排出に関与する耐性遺伝子が、たまたまフラボノイドの分解系と関連していたためと考えられた。YkvEレギュロンは、ykcABC、ydfNOP、yodEDとyvaBを標的とし、クロロヒドロキノンがその誘導物質と推定できた。また、yhbIJ-yhcABオペロンは、植物ホルモンの一種であるインドール酢酸で誘導され、その分泌に関与すると思われた。YhbIは、このオペロンの先頭の遺伝子の産物で、このオペロンのリプレッサーと推定できた。さらに、MFS型の多剤耐性オペロン解析では、YcnCがycnCBオペロンを、YusOがyusOPオペロンを、YwoHがywoHGオペロンを負にオート制御していることが明らかになり、ノボビオシン等が誘導物質であるとの知見を得た。
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