研究課題/領域番号 |
17310122
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
古山 種俊 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20089808)
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研究分担者 |
高橋 征司 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90343061)
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キーワード | イソプレノイド生合成 / ウンデカプレニルリン酸 / プレニル鎖延長 / フリップ-フロップ / 天然ゴム生合成 / パラゴムノキ / ラテックス / ポリプレノール |
研究概要 |
<プレニル鎖延長酵素に関する研究>申請者らが既にクローン化し、X線結晶構造解析に成功しているシス型プレニル鎖延長酵素、ウンデカプレニル二リン酸合成酵素の詳細な構造解析を他のシス型鎖延長酵素と比較検討し、反応生成物のプレニル鎖長の観点からの相違点を基にして部位特異的変異導入による変異体酵素を多数作製し、それらの触媒機能の変化を追究した結果、トランス型プレニル鎖延長酵素とは全く異なる機構で生成物のプレニル鎖長を短くする部位、およびさらに長いプレニル鎖長の生成物を合成するように作用する部位をそれぞれ同定することができた。 <フリッパーゼの分子解析に関する研究>細菌の糖担体脂質、ウンデカプレニルリン酸にNBDを結合させて蛍光プローブ標識した基質を合成し、スフェロプラスト化した枯草菌の細胞膜内外のフリップ-フロップ転移による糖担体資質を回収、再利用する酵素活性を探索した結果、わずかながらフリップ-フロップ転移活性が確認された。この触媒活性の本体を分子レベルで解明すべく追究しているところである。 <天然ゴム生合成機構解明に関する研究>パラゴムノキの新鮮なラテックスより調製した超遠心分離画分の内、天然ゴム合成酵素活性を有する沈殿画分と微小ゴム粒子画分について詳細な酵素活性の解析を行った。既にクローン化しているパラゴムノキラテックスのシス型プレニル鎖延長酵素、HRT-1およびHRT-2と共存させた場合、沈殿画分は分子量100万程のゴム粒子を合成する能力を獲得するが、微小ゴム粒子画分の方はそれのみでゴム合成活性を示し、HRT-1やHRT-2の添加による活性化効果は検出できず、2つの画分に存在する「ゴム合成酵素」に大きな違いがあることが示唆された。
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