研究課題/領域番号 |
17310122
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
古山 種俊 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20089808)
|
研究分担者 |
野池 基義 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (20420010)
|
キーワード | イソプレノイド / プレニルトランスフェラーゼ / 天然ゴム生合成 / ドリコール / ペプチドグリカン生合成 / プレニル鎖延長 / ファルネシル二リン酸 / ウンデカプレニル二リン酸 |
研究概要 |
シス型プレニル鎖延長酵素に関する研究:新規な短鎖シス型プレニル鎖延長酵素と予想される遺伝子を各種好熱性細菌のゲノムを基に、遺伝子クローニング、大腸菌細胞内での発現系構築を行い、それぞれの遺伝子産物について、生成物の鎖長の違いや基質特異性の確認、および構造解析を行って、これらシス型プレニル鎖延長酵素の生成物鎖長制御機構を総合的に理解する研究を進めた。 天然ゴム生合成に関連する酵素系の解析研究:パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)のラテックスに存在する非メバロン酸経路の律速酵素遺伝子、1-deoxy-D-xylulose 5-phosphate reductase(DXPR)の相同遺伝子の単離、発現系構築に成功した。この遺伝子は色素体への移行シグナルを保有しており、シロイヌナごナの培養細胞T87に導入した形質転換細胞中では葉緑体に局在していた。また、パラゴムノキの培養細胞系の構築を行い、葉柄からの初めてのカルス誘導に成功した。このカルス細胞の懸濁培養細胞化を進め、有意な細胞増殖が認められる細胞株を得ることが出来た。 細菌の細胞壁生合成における細胞膜間輸送系の解析:細菌の細胞壁生合成における糖キャリアリピド、ウンデカプレニルリン酸の細胞質側への回収反応のフリッパーゼ活性の存在を証明するため、NBD基を蛍光団とした蛍光ラベル基質を合成し、生体膜脂質二重膜の内層と外層に蛍光プローブを導入させ、さらにジチオナイトで外層表面の蛍光を消失させた後の蛍光光度を定量化する測定法を確立し、枯草菌Bacillus subtilisの細胞膜の内側に取り込まれたプローブの蛍光強度から蛍光プローブの取り込み活性を評価した。この系にトリプシンを添加してプロテアーゼ処理を行うと、プローブの取り込み活性が低下したことから、このプローブの取り込み過程にはある種のタンパク質が関与していることが示唆された。
|