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2005 年度 実績報告書

tRNA擬態タンパク質によるリボソーム普遍機能と生体高次機能の発現機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 17310123
研究機関東京大学

研究代表者

伊藤 耕一  東京大学, 医科学研究所, 助教授 (10262073)

キーワード翻訳終結 / 翻訳制御 / リボソーム / リコーディング / ペプチド鎖解離因子 / 蛋白質合成 / tRNA分子擬態 / 遺伝子発現制御
研究概要

(1)真核生物ペプチド鎖解離因子eRF3は、tRNA擬態性タンパク質であるペプチド鎖解離因子eRF1と結合することで、協調的に翻訳終結反応を遂行するGTP結合タンパク質であり、かつ一方で翻訳終結効率の制御と、細胞内での様々な生理機構を担う因子群との対応を行うハブとして位置づけられる重要分子である。明らかにしたeRF3のX線結晶構造に基づき、eRF3の機能制御モデルを考案した。このモデルは、真核生物においてペプチド鎖解離因子がハブ分子として様々な生理現象に関わる因子群と高次複合体を形成し高次機能を発揮することを分子レベルで具体的に説明した最初のものである。さらに、このN末端拡張領域の作用モデルについて、この領域に結合する制御因子とeRF3の機能性発現解析を行なった。その結果、リングフインガー様蛋白質Itt1p、および、細胞骨格結合蛋白質Sla1pに関してeRF3の機能性・蛋白質安定性に、それぞれが正負に寄与する因子である事を実証することに成功した。
(2)原核生物のモデル生物である大腸菌を用い、tRNA擬態蛋白質である解離因子(RF)の機能性に関与するリボソーム相互作用機能部位の網羅的検索を完了し、それぞれのリボソーム因子に関する解析を行なった。その結果、リボソーム蛋白質L11に関する多角的な検証の結果、L11が原核生物解離因子RF1/RF2のそれぞれに異なった作用をするというこれまでの定説を覆す結果を得た。このことは、tRNA擬態蛋白質RFがその機能性発現のために獲得したtRNA・伸長因子とは異なるリボソーム相互作用プラットホームが存在するという新しい概念につながる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Ribosomal protein L11 mutations in two functional domains equally affect release factors 1 and 2 activity2006

    • 著者名/発表者名
      Sato H.
    • 雑誌名

      Molecular Microbiology 60

      ページ: 108-120

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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